-物の価格はどのように変動したか-
物価は、個別の財やサービスの価格を一定の計算式によって総合化した指標で、企業物価指数(2002年までは卸売物価指数)と消費者物価指数といったように、基準となる時点からどの程度変化したかで示されるのが一般的である。いわゆるオイルショックの頃は物価が高騰するなどの事態が起きたが、1990年代以降は安定基調となっている。
1955年と2005年の物価指数(全国)を分野毎に見ると、家具・家事用品は2倍強にとどまっているのに対して、教育は20倍以上となっている。これを品目毎に見ると価格が大きく変わったもの、あまり変わらないものが見えてくる。東京都区部の主要商品の小売価格を見ると、物価の優等生と言われる鶏卵1㎏の値段は1955年が227円、これが50年後の2005年は347円と5割増しにとどまっている。一方、牛肉(肩肉)は100g45円が467円と10倍以上、馬鈴薯は1㎏22円が302円と14倍近く上昇している。
おそらく、一番上昇したのは文系国立大学の年間授業料だろう。1955年はわずかに6000円、それが2005年には53万5800円となっているので、50年間になんと90倍近くも値上がりしているのだ。ここまで極端ではないにしても私立文系大学が約30倍、公立高校が18倍値上がりしている。やはり教育分野の物価上昇が家計に重くのしかかっているようだ。
小売価格の変遷
1955年
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2005年
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05/55
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牛肉100g
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45
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467
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10.4
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鶏卵1㎏
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227
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347
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1.5
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ばれいしょ1㎏
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22
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302
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13.7
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清酒1.8ℓ
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520
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1858
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3.6
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家賃(1坪:1か月)
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181
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9230
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51.0
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公立高校授業料(1か月)
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500
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9600
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19.2
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国立大学文系授業料(1年)
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6000
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535800
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89.3
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私立大学文系授業料(1年)
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21504
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694430
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32.3
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映画観覧料
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133
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1800
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13.5
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理髪料
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154
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3701
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24.0
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出典:総務省「小売物価統計調査」
日本の100年