相続税申告の対応の現状


相続税申告の対応の現状

 

日本の年間平均の死亡者数は約114万人であるといわれています。
そのうち、実際に相続の申告が必要な方の割合は、4.1%=約46,000人といわれています。
これに対して税理士の登録数は約72,000人です。
単純計算をすれば、年間で1税理士(税理士法人)あたり、約0.6件の相続税申告を取り扱う計算になります。

 

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相続・相続税/相続・相続税関連情報

相続税申告時の平均7500万円。その実態は?

相続税の申告が必要な割合、取得額、納税額といった数値から相続税の実態を確認しましょう。

執筆者:天野 隆


打合せ
平均7,500万円相続!相続・相続税の実態は?

下記のデータから相続・相続税の実態を確認します。
Q1 相続税の申告が必要な割合は?
相続税の申告が必要な割合は4.2%(相続税の申告件数÷死亡者数)。つまり、100件相続が発生して、4件が申告し、残りの96件は申告不要です。相続税の申告が必要な割合は、非常に低いことが分かります。(相続税の申告が必要となる基準については次のページにて)

Q2 相続人の取得財産の平均額は? 
相続人の取得財産の平均額は7,500万円(課税価格÷相続人の数)。これは、相続税の申告をした人のデータであるため高額になっています。申告不要な100件中96件については、データがありません。申告が不要な人の中には、相続の放棄をする人もいれば、5千万円くらい相続している人もいます。

Q3 どのくらい相続税を払っているのか?
相続税の納付税額の平均は810万円(納付税額÷相続人の数)。7,500万円相続して810万円の相続税。約10%の相続税がかかっていることが分かります。税率が高くても、相続財産のすべてが金融資産であれば、納税の問題はありません。しかし、土地・建物の割合が高い場合には、相続税額分の金融資産がなく、納税が難しくなることがあります。

■参考データ
死亡者数 102万8,602人※1
相続税の申告件数 43,488件※2
相続人の数 131,279人※2
課税価格 9兆8,618億円※2
納付税額 1兆651億円※2
※1 厚生労働省「人口動態総覧」より 平成16年中の死亡者数
※2 国税庁「相続税課税状況」より 平成16年中に相続が発生したものについてのデータ

提供は、http://allabout.co.jp/gm/gc/11008/

税務調査・・・相続税は税務調査が入る割合が高い

相続税は、法人税や所得税と比べて税務調査が入る割合が高いという特徴があります。
国税庁の資料によると、平成19年度の相続税の申告件数は46,661件で、税務調査件数は13,845件となっており、相続税申告のうち約3割は税務調査が入っています。
また、申告漏れ件数は11,884件で割合は86%となっており、追徴税額は941億円で1件当たりで見ると792万円になります。

よって、相続税に関していえば、税務調査が入る確率は約3割であり、その内9割が税務調査で追徴されていることになります。

申告漏れ財産の構成としては、現金・預金が37%で最も高く、続いて有価証券17%、土地16.7%となっており、調査では金融資産の申告漏れを指摘されるケースが多いです。これは、相続人名義の預貯金や株式についても、名義預金として被相続人の相続財産に加算したり、また、被相続人が亡くなる直前に相続人が引出した現金等も相続財産として加算されるケースが多いためです。
土地については、評価方法が複雑なため税務調査で評価方法を見直した結果、追徴されることがあります。

税務調査の対象になりやすい申告書の特徴を挙げると以下のとおりです。

1)申告書の精度が低い場合や、税法・特例の適用誤り等の疑問のある申告書
申告書に不備がある場合や税法の適用に誤りがあれば、税務署は是正する義務があるため、税務調査を通じて真偽を確認しに来ます。

(2)生前の所得の状況から推定して、金融資産の申告額が少ない場合
金融資産は簡単に名義を分散することが出来るため、名義だけ相続人に移し、被相続人の申告額を減らしていないかが税務調査のポイントとなります。

(3)財産評価の資料等に不備がある申告書
相続財産の評価については、税務署は公的資料等で財産評価に問題がないか確認します。そのため、財産評価に係わる添付資料が少ないケースでは、適正な評価が行われていないのではないかと疑念を持たれる可能性があります。

(4)計算誤りが見受けられる申告書
手書きの申告書は計算誤りやケアレスミスが生じやすく、調査の対象になる確立が上がると考えられます。

(5)相続財産が3億円以上の申告書
相続税は遺産額に課税されることや遺産額に応じて税率が上がることから、遺産額が大きいと申告漏れ財産に対する税額も大きくなるため、課税価格3億円以上の申告書は調査が入る確率が高くなります。

(6)税理士の署名がない申告書
相続税申告をご自身でなされる方は少ないと思いますが、税金の専門家である税理士が作成した申告書よりも、税理士の署名のない申告書は信頼性は下がると考えられるため、税務調査が入る確率が高くなる可能性があります。

上記のような申告書は税務調査の対象となる可能性があるため、慎重に対応する必要があります。

TKC税務講座 (提供 積水ハウス)

相続税半世紀ぶりの課税強化!課税対象者は1.5 倍に! ~基礎控除引下げと小規模宅地等の特例の拡充等の相続税の重要改正ポイント~
山本和義氏
税理士法人 FP総合研究所 代表社員・税理士 山本和義

相続税の基礎控除は、バブル期の地価の急騰による相続財産の価格上昇に対応して、負担調整を行うために引き上げられてきましたが、その後の地価下落にもかかわらず、据え置かれています。また、税率構造については、昭和63年以降累次にわたり、最高税率の引下げを含む累進構造の緩和が行われてきており、相続税の資産再分配機能の低下につながっています。こうした状況を受けて、平成25年度税制改正において次の相続税等改正が行われました。

  • 相続税の基礎控除の引下げによる課税ベースの拡大と税率構造の見直し
  • 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の拡充

など

1 相続税の基礎控除の引下げ

改正内容

相続税の基礎控除のあるべき水準を具体的に考えるに当たっては、物価・地価が現在と同等であった時期(昭和50年代半ば)に適用されていた水準と同等となるように再設定し、従来の水準の60%に改定することとしました。
これにより、年間死亡者数に占める相続税の課税割合は、改正前の4.1%(平成23年中の年間死亡者数125万人に対して、相続税の申告件数は5万1,559件)から、改正後は6%程度に増加することが見込まれています。

平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

2 相続税の税率構造の見直し

改正内容

昭和63年以降累次にわたり、最高税率の引下げを含む累進構造は緩和されてきましたが、「税率構造の見直しを図ることで、資産再分配機能の回復が考えられる」という、税制調査会に設置された専門家委員会の指摘を受けて、次のように各取得分の金額2億円超の部分について、見直しが行われます。

平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

3 どのくらい増税になるか

相続税の基礎控除と税率構造の見直しにより、相続税はどのくらい増税になるか、試算結果は次のとおりです。

<配偶者と子が相続人である場合(配偶者は法定相続分を相続するものと仮定)>

(注)現行:平成26年12月31日まで/改正後:平成27年1月1日以後

<子のみが相続人である場合>

(注)現行:平成26年12月31日まで/改正後:平成27年1月1日以後

4 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の拡充

改正内容

上記①及び②の改正は平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用され、上記③及び④の改正は平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

改正後の小規模宅地等の特例の適用関係

改正後の小規模宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、次の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額します。

  • (注)「貸付事業」とは、「不動産貸付業」、「駐車場業」、「自転車駐車場業」及び事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行う「準事業」をいいます。

改正後に貸付事業用宅地等を併用する場合の「限度面積」については、
次の算式によって求められます。

貸付事業用宅地等の限度面積

  • A :「特定事業用宅地等」、「特定同族会社事業用宅地等」の面積の合計(①+②≦400㎡)
  • B :「特定居住用宅地等」の面積の合計(⑥≦330㎡)

※本サイトに掲載の内容は、平成26年5月現在の法令に基づき作成しております。

5 未成年者控除及び障害者控除の見直し

改正内容

物価の動向及び今回の相続税全体の見直し内容を踏まえて、控除額を引き上げることとしました。

<未成年者控除>

<障害者控除>

平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について、適用されます。

6 国外財産に関する納税義務の範囲の拡大

改正内容

今般の改正で、子や孫等に外国籍を取得させることにより、国外財産への課税を免れるような租税回避事例が生じていることから、日本国内に住所を有しない個人で日本国籍を有しないものが、日本国内に住所を有する者から相続若しくは遺贈又は贈与により取得した国外財産を、相続税又は贈与税の課税対象に加えることとしました。

<改正前の制度>

<国外財産に関する納税義務の範囲の拡大>

  • (注1)被相続人(又は贈与者)の国籍は関係ありません。したがって、被相続人(又は贈与者)が日本国籍を有しない米国人の場合と日本国籍を有する日本人の場合での違いはありません。国籍が関係するのは相続人だけです。
  • (注2)日本国籍と外国国籍とを併有する重国籍者も日本国籍所有に含まれます。また、住所・国籍の有無の判定は、財産取得の時を基準とします。
  • (注3)改正前においては、国内財産のみに課税されていましたが、改正後は国内財産・国外財産ともに課税の対象となります。(出典:平成24年11月14日・政府税制調査会資料を加工)

平成25年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する国外財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

7 事業承継税制の適用要件の緩和

改正内容

非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、次の見直しを行うこととしました。

<未成年者控除>

経済産業大臣による事前確認制度の廃止(上記⑪)については、平成25年4月1日より適用され、その他の改正については所要の経過措置を講じた上で、平成27年1月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

<非上場株式等の贈与税・相続税の納税猶予制度の改正前後の要件等の一覧表>

  • (注)納税税猶予税額の全部又は一部を納付する場合の利子税は、「延滞税等の見直し」により、納税猶予期間中の利子税の割合が年0.9%(特例基準割合が2%の場合)に引き下げられます。


相続税対策 (相続発生後から申告期限までの場合) 提 供: 清 文 社

新相続税の仕組み(平成27年以後)

 

相続・相続税/相続の手続き

死亡直後の手続きチェックシート

死亡直後から相続前までの手続きをまとめました。漏れがないよう、チェックボックスを埋めるよう、手続きをしてみてください。

執筆者:加藤 昌男

市区町村役所で行う手続き

市区町村役所と健康保険関係の手続き

市区町村役所と健康保険関係の手続きを確認

死亡届から市区町村役所で行なう一連の手続きは下記の通りです。

プリントアウトして使えるよう、各項目にチェックボックス(□)をつけましたので、ご活用ください。

□ 1.死亡届(7日以内) 
医師からもらう死亡診断書の左側(死亡届)に必要事項を記入します。

 2.死体火葬(埋葬)許可申請書(7日以内)
死亡届と同時に火葬許可申請書を提出し、火葬許可書の交付を受けます。火葬場にこの許可書を提出し、火葬後に証印をもらうと自動的に埋葬許可書になります。これを、納骨のときに墓地等に渡します。

□ 3.世帯主変更届(14日以内)
世帯主が亡くなった場合に、その世帯に15歳以上の人が2人以上存在するときは、誰が世帯主になるかを届け出る必要があります。従って、1人の世帯や母親と子供(15歳未満)の世帯になったときは、提出不要です。

□ 4.児童扶養手当認定請求(期限なし)
母子家庭などになり18歳未満の子がいる場合に、一定の所得に満たないなどの要件に該当するときは、児童扶養手当が支給されます。

□ 5.復氏届(期限なし)
配偶者が死亡したことにより、旧姓に戻したいときに提出します。すると婚姻前の戸籍に戻ります(戻りたくないときは分籍届を提出)。子の戸籍(姓)はそのままになるため、同一の戸籍にするには家庭裁判所で氏の変更後、入籍する手続きが必要になります。

□ 6.姻族関係終了届(期限なし)
死亡配偶者の血族との縁を切りたい場合に提出します。

□ 7.改葬許可申請書
埋葬されている遺骨を別の墓地に移すときに申請します。新しい墓地の管理者だけでなく、現在の墓地の管理者・使用権者の承諾なども必要になります。
 

健康保険関係の手続き

健康保険の手続き及び窓口は下記の通りです。

□ 1.保険証の返却・資格喪失届
国民(後期高齢者)健康保険証(14日以内)
健康保険組合・協会けんぽ(速やかに)

□ 2.葬祭費・埋葬費の請求(2年以内)
ガイド記事「手続きをすれば葬祭費・埋葬料がもらえる!」をご確認ください。

□ 3.高額医療費の請求(2年以内)
医療費の自己負担が高額になり、一定額を超えた場合には、その超えた部分の金額の還付を受けられます。

<窓口>
国民健康(後期高齢者医療)保険……市区町村役所
健康保険組合・協会けんぽ……………勤務先、健康保険組合、協会けんぽ
 

年金の手続き 

年金と税金関係の手続きを確認

年金と税金関係の手続きを確認

公的年金受給者が亡くなった場合には、速やかに「年金受給権者死亡届」を提出しなければいけません。

その際、生計を一(同居)にしていた遺族は未支給年金(存命なら受取っていた年金)を取得できます。亡くなった後は年金を受け取ることはできませんが、同居の遺族については、特別に受け取れる制度です。ちなにみこの未支給年金は、相続財産ではありません。

なお、未支給年金をもらう人は14日以内(厚生年金は10日以内)に手続きが必要です。
  • □ 年金受給権者死亡届
  • □ 未支給年金の請求
<窓口>
国民年金……市区町村役所、年金事務所
厚生年金……年金事務所(厚生年金基金の退職年金受給者は基金でも手続き必要)

今後の年金
□ 1.老齢基礎年金受給者が亡くなった場合
・遺族基礎年金

□ 2.国民年金被保険者(第1号被保険者)が国民年金を受給する前に亡くなった場合(以下のうち1つ)
・遺族基礎年金
・寡婦年金
・死亡一時金

□ 3.厚生年金被保険者(第2号被保険者)が亡くなった場合(以下、該当するものすべて)
・遺族厚生年金
・遺族基礎年金
・中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算

□ 4.厚生年金被保険者の配偶者(第3号被保険者)が亡くなった場合
なし
 

税金関係の手続き

税金関係の手続き及び窓口は下記の通りです。

□ 1.医療費控除
支払った医療費が10万円(※)を超える場合には医療費控除が受けられます。ただし、死亡日を境に取り扱いが違いますので注意してください。
(※)総所得金額が200万円未満の人は総所得金額の5%
  • 死亡日までに支払った医療費……………亡くなった人の準確定申告又は同居親族の確定申告(有利な方(税率が高い方)を選択可)
  • 死亡日の翌日以後に支払った医療費……同居親族の確定申告
□ 2.準確定申告(4ヵ月以内)
1月1日から死亡の日までの所得を申告します(所得税)。ただし、給与や年金だけの人は源泉徴収されていますので、申告義務はありません。源泉徴収で払い過ぎなら、申告をすると還付になります(5年以内)。

□ 3.相続税(10ヵ月以内)
遺産が相続税の基礎控除額(※)を超える場合に申告が必要になります。従って、基礎控除以下なら申告不要です。
(※)5000万円+1000万円×法定相続人の数(例:法定相続人3人なら8000万円)

<窓口>
亡くなった人の住所地を所轄する税務署
 

会社関係の手続き

会社関係の手続きは下記の通りです。

□ 1.会社を経営又は勤めていた場合には、下記の手続きが必要です。
・死亡退職届・身分証明書の返却
・役員の変更登記(2週間以内)
・最終給与の受取り
・死亡退職金の受取り

□ 2.仕事が原因で亡くなった場合
仕事が原因でなくなった場合には、遺族補償年金又は遺族補償一時金が支給されます。窓口は、勤務していた事業所を管轄する労働基準監督署です。


悲しい気持ちと葬儀のバタバタであっという間に時間が過ぎてしまいます。しかし、期限には遅れないよう粛々と手続きを進めましょう。
相続・相続税/相続の手続き

葬儀のあとに必ずすべき2つの相続手続き

相続が発生し、手続関係は、粛々と進めなければいけません。今回は、相続のあとに必ずすべきこと、特に葬儀後1ヶ月以内にしなければいけないことについてまとめました。

執筆者:清水 真一郎

打合せ
相続が発生すると必要な手続は2つ
相続が発生して、前々から準備が出来ていた人もいれば、突然のことで驚いている人もいると思います。しかし、いずれにしても手続関係は、粛々と進めなければいけません。今回は、相続のあとに必ずすべきこと、特に葬儀後1ヶ月以内にしなければいけないことについてまとめました。

相続手続きは2つ

相続が発生すると必要な手続は、名義変更手続と税金関係の手続の2つです。

名義変更手続
・期限は特にありません
・必要資料:戸籍等の他に、遺言又は遺産分割協議書が必要になります。

名義変更が必要な主な財産は次の3つです。
・不動産
・預貯金
・有価証券

詳しくはこちら >> 相続財産の名義の変更方法と注意点

税金関係の手続
税金関係の手続は、所得税と相続税の2つです。それぞれ確認しておきましょう。

所得税
・所得税は、1月1日から死亡の日まで申告すべき所得がある場合には、申告(準確定申告)が必要になります。なお、年金や給与所得のみで源泉徴収されている場合には、準確定申告をすると還付が受けられる可能性があります。
・期限は、相続開始後4ヶ月以内です。

相続税
・相続税は、遺産が相続税の基礎控除(5000万円+1000万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要になります。
・期限は、相続開始後10ヶ月以内です。

相続発生後1ヶ月以内でやるべきこと

打合せ
相続発生後1ヶ月以内でやるべきこと
相続発生後1ヶ月以内でやるべきことは、財産をざっくりと把握することです。名義変更と相続税の申告のため、どのような財産があって、評価がどの位になるのかをざっくりと把握しておきましょう。下記に相続財産になるものの一例を挙げました。これをベースに財産リストを作り確認しましょう。その際、土地は路線価に面積を乗じて、建物は固定資産税の評価にしておけば更に良いでしょう。

【プラスの財産】
・土地(借地権を含む)、建物
・現預金、有価証券
・死亡保険金、死亡退職金(※)
・支払保険料(掛捨てや保険金が支払われたもの以外のもの)
・貸付金
・ゴルフ会員権
・書画・骨董
・家財一式
・庭園設備
・自動車
・電話加入権
・その他の財産(高価なもの)
・特許権、著作権など 
(※)受取人が決まっているものは遺産分割の対象から外されます。

【マイナスの財産】
・借入金
・未払いの税金(所得税・住民税・固定資産税等)
・預かり敷金、保証金
・死亡後に支払った医療費
・葬儀費用、お布施、その他葬儀にかかった費用

【非課税財産】
・お墓、永代供養料、香典

マイナスの財産が多い人

プラスの財産よりマイナスの財産の方が多い人又はマイナスの財産の方が多いと思われる人は、原則として相続開始後3ヶ月以内に相続の放棄手続又は限定承認をする必要があります。なお、相続の放棄は、各相続人が単独で行なえます。しかし、限定承認は相続人全員で行なう必要があります。
 
相続・相続税/相続の手続き

相続手続きのすすめ方

相続が発生して、「いつまでに何をどうしたらいいのか分からない」とよくご相談を受けます。そこで、一連の相続手続きについて、時系列でまとめました。確認をしましょう。

執筆者:清水 真一郎

打合せ
相続手続きはどのような流れで?
相続が発生して、「いつまでに何をどうしたらいいのか分からない」とよくご相談を受けます。そこで、一連の相続手続きについて、時系列でまとめました。確認をしましょう。

ステップ1 財産の把握及び評価

権利書、固定資産税の納税通知書(又は名寄帳)、通帳、残高明細書などから遺産を把握します。把握をしたら、ざっくりと財産の評価をします(土地は路線価や倍率表、建物は固定資産税の評価を参考に)。

相続税の申告が必要かどうかですが、遺産が相続税の基礎控除(※相続税の基礎控除額=5000万円+1000万円×法定相続人の数)を超えている場合には、相続税の申告が必要になります。必要かどうか微妙な場合や必要な場合には、税務署又は税理士にご相談ください。

金融機関が死亡情報を入手した場合には、財産の保全のため口座を閉鎖します。閉鎖を解除するには、相続人全員の同意書又は後述の遺言や分割協議書が必要です。

ステップ2 3ヶ月以内に相続放棄又は限定承認

正の財産よりも負の財産の方が多い場合や特定の人に財産を相続させたい場合には、相続放棄をします。正の財産が負の財産よりも多い場合にのみ相続するときは、限定承認をします。相続放棄は、相続人毎に手続きを行なえます。一方、限定承認は、相続人全員で行なわなければなりません。いずれも相続開始の日から3ヶ月後が期限となっております。

詳しくは >>> 相続放棄・限定承認って何 / 相続放棄の期限と手続き

ステップ3 4ヶ月以内に準確定申告

被相続人の1月1日から相続開始日までの所得についての確定申告を準確定申告と言います。期限は、相続発生日から4ヶ月後です。申告義務のない方でも準確定申告をすると、多額の医療や源泉徴収により所得税を納め過ぎている場合には、税金が還付されます。
 

ステップ4-A 遺言があった場合

打合せ
名義変更はどのように行なわれるのか?
遺言には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。公正証書遺言は、そのまま名義変更に使えます。一方、自筆証書遺言や秘密証書遺言が効力を有するためには、家庭裁判所の検認を受ける必要があります。もし、封筒に入った公正証書以外の遺言が見つかったら開封せずに家庭裁判所の検認を受けてください。

遺言の内容により遺留分が侵されていた場合には、遺留分の減殺請求を行なうことができます。その期限は、遺留分が侵されていたことを知った日から1年又は相続開始の日から10年です。

詳しくは >>> 遺言書を取り消したい場合は / 遺留分とは

ステップ4-B 遺言がない場合

遺言がない場合や遺言から漏れた財産がある場合で相続人が複数いるときは、相続人全員で遺産分割協議を行なう必要があります。相続税申告のために期限がある場合を除き、遺産分割には期限がありませんが早めに行ないましょう。

詳しくは >>> 遺産分割協議の基礎を学ぼう / 遺産分割でもめないためにはどうする?

相続人が1人のみの場合には、戸籍関係の書類をまとめた相続証明書で名義変更が行えます。

ステップ5 10ヶ月以内に相続税の申告・納税

相続税の申告が必要な場合には、相続開始日から10ヵ月以内に相続税の申告と納税が必要です。遺産分割が決まっていなくても、とりあえず法定相続分で取得したものとして申告と納税が必要になります。

詳しくは >>> 相続税申告の疑問ベスト5

ステップ6 名義変更

遺言や遺産分割協議書で名義変更をします。不動産は、被相続人の名義のままになっていると売却や取壊しが出来ません。また、トラブル防止の意味でもきちんと名義を変更しておきましょう。名義変更を終えて、相続手続きが終了します。
 
相続・相続税/相続の手続き

相続財産チェックリスト

相続財産チェックリストをまとめました。遺産分割協議の前の財産をピックUPするときにぜひ、ご利用ください。

執筆者:加藤 昌男

遺産分割協議を行なう際に大切なことは、遺産を漏れなく計上することです。漏れている遺産があった場合には、その財産の名義変更のために、他の相続人全員から再び印鑑をもらう必要がでてくることもあります。

また、相続税の申告が必要な人は、そうでない人よりも詳細なものが求められます。これらのことから漏れをなくすために、下記遺産チェックリトで確認してください。プリントアウトして使っていただけるように、各項目の後にチェック(□)をつけました。

不動産

遺産にはどのようなものがあるか確認しましょう

遺産にはどのようなものがあるか確認しましょう

1.土地(借地権・地上権などを含む) □

2.建物・構築物 □

■下記の書類から不動産の存在を確認します。
・不動産の登記事項証明書・公図………入手先:法務局
・名寄帳(固定資産税課税台帳)・固定資産税納税通知書………入手先:都税事務所・市区町村役場
・土地賃貸借契約書………手元
 

金融資産

3.現金・小切手 □

4.預貯金 □
手元にある通帳・証書、支店毎の残高証明書(※)などから存在を確認します。貸金庫の有無もチェックします。また相続人の一部が財産を隠匿していそうな場合には、残高証明書をもらう際に、過去のお金の出し入れが分かる取引明細表も取得します。
(※)相続税の申告が必要な人は亡くなった日までの利息も入れてもらいます。

5.有価証券 □
上場株式、国債・地方債・社債・外国債、投資信託、同族会社株式、出資など。銀行・証券会社からの取引残高報告書、配当等の支払通知書などから存在を確認します。未収配当金も忘れずに。

その他

6.自動車 □
車検証から名称・年式を確認します。

7.趣味用品 □
ゴルフ会員権、リゾート会員権、書画骨董、船舶、航空機、競走馬などがあります。

8.社会保険料の戻り □
健康保険料(後期高齢者医療保険料)・介護保険料・高額医療費の戻り

9.家庭用財産・庭園設備 □
家庭用財産とは、家具・電化製品などのことです。庭園設備とは、庭石・庭木のことです。

10.装身具 □
貴金属・宝石などです。名称・材料を確認。

11.電話加入権 □
電話番号を確認します。
 

事業用財産

相続財産

相続財産に漏れがないか確認しましょう!

12.貸付金 □

13.未収家賃 □

14.機械設備・その他の減価償却資産 □

15.商品・製品・半製品・商品 □

16.売掛金・受取手形 □

17.立木 □

18.特許権・著作権 □
確定申告書・法人の決算申告書・帳簿類などから確認します。特許権・著作権については、名称・登録番号等を確認します。

債務

19.借入金 □

20.未払いの税金(住民税・固定資産税・事業税) □

21.未払医療費 □

22.預かり敷金 □

23.買掛金・支払手形 □

24.保証債務 □
現存する債務ではありませんが、手元にある契約書などから確認(相続税:債務控除不可)。

相続税申告が必要な人は

被相続人の遺産ではありませんが、相続税申告が必要な人は下記の財産も確認が必要です。

25.生命保険金 □

26.退職手当金 □

27.家族に掛けている生命保険 □

28.退職年金の受給権 □

29.葬儀費用 □

30.相続開始前3年以内の贈与・相続時精算課税贈与 □

相続財産は漏れなく

以上、相続財産にどのようなものがあるかをリストにまとめました。相続税申告をしない人には細かいと感じることもあるかと思います。遺産に漏れがあることを想定して、遺産分割協議書に、「本協議書に記載なき財産・債務については相続人○○がこれを取得・承継する」と記載する方法もありますが、極力漏れのないようにするのが基本です。 
 

 


広大地評価

新広大地とは?
どういう場合だったら広大地評価を使えるのか?
広大地評価に該当する要件 その1
広大地評価に該当する要件 その2
広大地評価に該当する要件 その3


不動産鑑定士・税理士 沖田豊明の広大地評価レポート

広大地評価した事例NEW
平成26年度税制改正の大綱に記載された「相続財産である土地等を譲渡した場合の特例」における改正事項
不動産の鑑定評価を活用した固定資産税の交換特例の適用
土地区画整理事業施行中の土地の登記
広大地として是認されたミニ分譲地の事案
平成25年の都道府県地価調査
平成25年の地価公示についての変更点
2013年7月1日発表 路線価の動向
更正の請求にて広大地が是認された事案(現況駐車場)
教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度
更正の請求で広大地と認められた特殊なケース
平成25年の地価公示動向
裁決事例と同様の案件で更正の請求により是認された広大地事例
更正の請求により是認された広大地事例
高圧線下地の調査上の注意点
但し書き道路と広大地の判定
擁壁等の整備されていない崖地を含む土地
平成24年度都道府県地価調査
財産評価基本通達になじまないケースの検討方法
平成24年の路線価の動向
対象地の前面に路地状開発がある広大地事例
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相続人の人数の動向と相続税増税
(14.03.10)

1.被相続人1人から相続する相続人の人数が減少

 相続税の対象となった被相続人1人から財産を承継する法定相続人の人数が、減少する方向にシフトしています。

グラフ1 被相続人1人当たりの相続人の人数

グラフ1 被相続人1人当たりの相続人の人数

 このグラフ1は、国税庁の統計年報のデータを基に平成13年分から平成23年分までの相続税の課税対象となった法定相続人人数別に見た被相続人の人数の動向をプロットしたものです。

 ご覧の通り、この10年間で、相続人が2人以下だった被相続人と、3人だった被相続人の人数が急増しています。2人以下の細かい内訳を示すと、相続人が1人だった被相続人の人数は、平成13年に2,984人でしたが、平成23年には5,195人と1.7倍に膨らんだほか、相続人が0だった被相続人の人数も平成13年から平成23年までに128人から393人と倍増しています。

 一方、相続人5人以上の被相続人の人数が減少しています。全体的に被相続人1人当たりの相続人の人数は4人以下へとシフトしていると考えてよさそうです。


2.相続税増税に拍車

 さて、平成27年以降の相続・遺贈から、相続税の増税が実施されます。具体的には、相続税の非課税枠に当たる「基礎控除」が次の表1の通り4割引き下げられます。これにより、年間の死亡者全体に対する相続税の対象となった被相続人の割合である「課税割合」は改正前4%程度だったものが改正により6%ほどに上昇するといわれています。これまで相続税がかからなかった人でもかかる可能性が高まるのです。

 さらに被相続人1人当たりの相続人の人数の減少は、こうした増税に拍車をかけることになりそうです。というのも基礎控除の金額は「定額控除+法定相続人1人当たりの基礎控除額×法定相続人数」で求めるため、相続人数の減少に連動して減るからです。

表1 相続税の基礎控除額

表1


3.これからのこと

 相続人は子だけでなく、親や兄弟ということもあります。しかし配偶者と子、または子のみの相続がごく一般的な姿だと考えられます。そうすると今後の出生数低下は、相続人の減少に結びつくのではないでしょうか。次のグラフ2は、平成25年人口動態年間推計の「出生数及び合計特殊出生率の年次推計(厚生労働省ホームページより引用)です。

グラフ2 出生数及び合計特殊出生率の年次推移

グラフ2 出生数及び合計特殊出生率の年次推移

 グラフ2によれば第2次ベビーブームでは出生数が増えます。これによりこの世代が相続を受ける時代では被相続人1人当たりの相続人数は盛り返すかもしれません。しかし第2次ベビーブームの山を越えると出生数は再び減少していきます。これにともなって被相続人1人当たりの相続人の人数は、さらに減少に向かうのではないでしょうか? その時代には相続税の対象が大衆化し相続税対策はもっと身近になるのかもしれません。


タクトコンサルティング

遠藤 純一

 

(前編)国税庁:2012年分相続税の申告状況を公表!

 

 

 

 国税庁は、2012年分相続税の申告状況を公表しました。
 それによりますと、2012年中(2012年1月1日~12月31日)に亡くなった人(被相続人)は、約126万人でした。
 このうち、相続税の課税対象被相続人数は、約5万2千人で、課税割合は4.2%でした。
 今回の対象は、2013年10月31日までに提出された相続税額のある申告書に基づき集計されております。

 相続税がかかるのは100人に4人という状況が相変わらず続いております。
 また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、10兆7,706億円と前年比で0.3%増加し、税額は1兆2,514億円とほぼ横ばいで推移しました。
 被相続人1人当たりでみてみますと、地価下落及び株価の低迷により課税価格が2億557万円、前年比1.3%減と6年連続の減少となり、税額も2,388万円、前年比1.6%減となりました。

 

また、相続財産額の構成比は、「土地」が約45.9%と半数近くを占め、「現金・預貯金等」が約25.4%、「有価証券」が約12.3%の順で続いております。
 相続財産に占める割合が高い土地の評価はいまだ低迷しており、相続財産の課税価格が基礎控除額(「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」)以内でおさまるケースが多いようです。

 そして2013年度税制改正において、相続税については、課税ベースの拡大と税率構造の見直しが行われましたので、ご注意ください。
 具体的には、2015年1月以降の相続発生より、相続税の基礎控除について、現行の「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられます。
 税率構造の見直しについては、最高税率が現行の50%から55%に引き上げられます。
 これらによって、相続税の課税対象者が大幅に上昇するのではないかとみられております。

 

このコンテンツは、平成22年5月1日現在の法令・通達によっています。

 

■ はじめに
  

 I.根抵当権等の引継ぎ変更手続
  1. 根抵当権の設定登記の変更手続
  2. 被相続人の債務の引受手続
    相続開始後の標準的なタイムスケジュール
 II.相続税の申告等に当たっての留意点
  1. 相続税の申告期限に間に合わない場合の応急措置
  2. 被相続人の所得税の準確定申告等の手続
  3. 純損失の繰戻しによる還付の請求
  4. 減価償却資産の償却方法についての選択届出
  5. 相続人の青色申告承認申請
  6. 未分割遺産から生じた収益の帰属
  7. 消費税に係る各種選択届出書の提出の有無による相続人の消費税負担の差異
  8. 税理士への申告委任
  9. 相続税の申告の際に提出する主な書類
 III.遺産分割の工夫
  1. 相続を放棄しても取得することができる財産・年金等
  2. 遺産分割に当たっての留意点
  3. 遺産分割の基本方針
 IV.遺産分割が相続税の申告期限までに調わなかった場合のデメリット
  1. 配偶者の税額軽減の適用がない
  2. 小規模宅地等の課税価格計算の特例の適用を受けられない
  3. 非上場株式等の相続税の納税猶予の適用を受けることができない
  4. 未分割財産は物納でとってくれない
  5. 相続税額の取得費加算も3年経つと使えない
  6. 農地等の相続税の納税猶予が受けられなくなる

 

 (資料提供;『 平成22年6月改訂
 タイムリミットで考える相続税対策実践ハンドブック 』
  税理士  山本和義  著)

 

相続の専門家

相続にはいろんな専門家がいるので、どこから相談をするべきか悩んでしまいます。
各専門家の特長をまとめた次の表をご覧ください。

  主に提供できること 対象となるお客様 得意とする領域
税理士 税務業務 相続税が発生する方
  • 相続税の相談・申告
  • 節税対策
行政書士 書類収集・作成 相続・遺言に関して悩んでいる方
  • 遺言書の作成
  • 書類を収集し、相続人の調査、確定
  • 遺産分割協議書の作成
司法書士 登記業務 遺産中に移転登記が必要な不動産がある方
  • 相続登記
  • 相続放棄の手続き
  • 家庭裁判所に対する調停、審判の申立書の作成
  • 遺言書の作成
  • 書類を収集し、相続人の調査、確定
  • 遺産分割協議書の作成
弁護士 書類収集・作成・
示談交渉・裁判手続
紛争の有無を問わず、相続・遺言に悩んでいる方
  • 代理人として交渉
  • 遺産分割調停の訴訟代理人
  • 遺産分割の審判の訴訟代理人
  • 相続調査
  • 遺産分割協議書作成

相続とは、亡くなった人の配偶者や子などが遺産を引き継ぐことです。

相続人とは、遺産を引き継ぐ者。
そして被相続人とは、亡くなった人のことをいいます。

一般的には、戸籍に記載された死亡日が死亡のときと推定され、死亡日が相続がスタートする日です。
相続が発生した場合の次の流れをご覧ください。

相続税の申告まで相続発生から10ヵ月あります。
時間的に余裕があるように見えますが、思いのほか多くの事務手続きがあり、案外短いものです。

段取り良く進めていかなければなりませんので、事前の対策や準備、遺産の名義変更も含めて、専門家にご相談ください。

 

相続が発生すると、必要になってくる主な手続きを次に挙げます。

1. 遺産の評価・鑑定

遺産の具体的な評価方法については、預貯金や上場株式など容易に証明書が取れるものはそれでいいのですが、不動産や非上場株式などは様々な評価方法があり複雑です。
相続人同士でこれをまとめるのは非常に困難ですから、専門家に相談して事前に取り組むと、スムーズな相続が可能になります。

2. 遺産分割協議書の作成

遺産の配分を具体化させ書面にしたものが遺産分割協議書です。
どの遺産をどの相続人がどれだけ受け取るのか、相続人全員の合意が必要となります。
残念ながら、協議がまとまらない、あるいは相続人の中に音信不通の人物がいて全員が揃わない場合もあります。
そのときは家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

3. 遺産の名義変更手続き

遺言書あるいは遺産分割協議書に基づいて、相続財産の名義変更の手続きをします。
相続財産の名義変更の種類には不動産、預貯金、株式、保険金の請求等、それぞれが異なり煩雑になりがちです。
トラブルを避けるためにも早めに相続財産の名義を変更しましょう。

4. 相続税申告書の作成・相続税納付

相続税は、「相続開始を知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヵ月以内」に、被相続人の住所の所轄税務署に申告書を提出し、納付しなければいけません。
10ヵ月というと余裕があるように見えますが、多くの事務手続きに追われ、時間が足りないと感じる相続人は少なくありません。
段取り良く進めていかなければなりませんので、事前の対策や準備、遺産の名義変更も含めて専門家に相談することを勧めます。

事前に準備することで、思いがけないトラブルを回避することができ、
また節税対策につなげることも可能です。

何から始めて良いかわからない場合は、一度だけでも専門家を訪れることをお勧めします。

相続チェックシート

下記の「相続チェックシート」を利用すると、
誰が相続するのか?遺産の分け方、など手軽に状況が把握でき、整理できます。
どうぞご活用ください。

誰が相続するかで問題はありませんか?

□ 夫婦の間に子供も孫もいない
→ 兄弟姉妹などが相続人になると、相続争いの可能性が

□ 再婚などで配偶者が複数いる
→ 先妻の子供とトラブルになるなど、想定外のことが起きる

□ 独身で子供も親きょうだいもいない
→ 誰が財産を相続するのか分からない

□ 相続人と思われる人が行方不明、もしくは海外にいる
→ 連絡が取れないと相続人が特定できず、遺産分割もできない

遺産の分け方で 問題はありませんか?

□ 子供たちの仲がよくない
→ 遺産分割がうまくいかなくなる最大の原因。相続を機に仲が悪くなることも

□ 特定の子供だけに生前贈与したり、贈与を予定をしている
→ 他の相続人が知らなかったり、納得していないと争いのもとになる

□ 法定相続人以外に財産を遺したい
→ 内縁関係などの場合は、特に生前対策が必須

□ 兄弟姉妹の共有名義になっている不動産がある
→ 不動産の分割は非常に難しく、相続が起きたときに分割や処分の話がまとまらない

ほかにこんなことで 問題はありませんか?

□ 親に借金がある
→ 借金を引き継いでしまったり、財産を引き継げなくなるケースが出てくる

□ 会社を経営している
→ 未公開の会社の株式を所有していると、相続の発生で多額の相続税が課せられるケースがある

□ 自宅以外にも不動産がある
→ 不動産は分けにくくて権利関係が複雑なので、簡単に分割や処分ができない

□ 親が認知症やほかの病気などで意思を確認できない
→ 親の意思が分からないと、相続人の間で揉める原因になる

□ 遺言書がない
→ 遺言書で相続にまつわる問題はかなり防げるのだが・・・

あなたやあなたの親に一つでもあてはまる項目があれば、相続対策を考え始める必要があります。
これらのほかにも、相続の発生(親の死亡)によって問題が表面化するケースはがなくありません。

 

はじめての遺言

「前もって遺言書を作っておけば、相続争いを防ぐことができたのに…」

この様なケースは珍しくありません。

遺言は法定相続に優先する効力を持ちます。
ここでは遺言について解説いたします。

遺言が必要なとき

遺言とは、どんな場合に必要なのでしょう? 以下の6つの場合が考えられます。

1.会社や事業を特定の人に継がせたい場合

後継者に遺言で財産を残さないと、会社や事業の資産が相続により分割されてしまい、会社や事業の存続そのものが不可能になってしまいます。特に農家の場合は、農業後継者に遺言で相続させることが不可欠です。

2.法定相続人に遺産をあげたくない場合

例えば、長男は一生懸命両親の面倒をみているが、二男は浪費癖があり、散々親不孝を重ねているとします。その場合に、長男に遺産を全部相続させようと思っていても、遺言がなければ二男も相続することになります。(ただし、長男に遺産を全部相続させても、二男には遺留分があります)

3.法定相続人以外の人に遺産をあげたい場合

例えば、既に死亡した長男に嫁がいて、これまで家のために献身的に尽くしてくれるので、そのお礼を遺産で示したいといっても、嫁には相続権がありません。遺言で遺産をあげることを明確に記す必要があるのです。また、相続人が誰もいない場合、遺産は国のものになってしまいます。親しい人やお世話になった人にあげたい場合も、遺言が必要になってきます。

4.社会のために遺産を活かしたい場合

社会福祉法人や学校法人、日本赤十字社、ユニセフ等に財産を寄付したい場合や、お寺や神社等で遺産を有効に利用してほしいと望んでいる場合も、遺言で明確にしておく必要があります。

5.相続人の間に不和がある場合

相続人同士(親子、兄弟姉妹等)の間で不和がある場合、遺言できちんと相続の仕方を示しておかないと、死後大変な争いとなってしまいます。「骨肉相食む」争いをさせないために、遺言が欠かせません。

6.生活能力に不安がある相続人がいる場合

例えば、老妻や心身にハンディを抱えた子供がいる場合など、1人で生活を維持するのが困難な人が相続人にいる場合、その人の生活を支える必要があります。その人にできるだけ遺産がいくように、遺言で記しておく必要があります。

遺言の効力

「きちんとした遺言書を作ってさえあれば、相続争いを未然に防げたのに…」

こんなケースは決して珍しくありません。遺言は法定相続に優先する効力を持ちます。被相続人が一生考えた末の遺志を記した遺言があれば、多くの相続人はその遺志を尊重する気持ちを持つものです。

遺言の効力とは?

遺言は遺言者が原則として自由に書くことができます。しかし、法的な効力が生じる事項は民法で定められています。民法では、遺言できる行為として、次の10種類を挙げています。これ以外のことを遺言の内容としても、法律上の効力は生じません。

身分に関する事項

  • 認知 …
    婚姻外子(胎児も含む)がいる場合、遺言で認知できます。認知によって子供は相続人になれるのです
  • 後見人指定及び後見監督人の指定 …
    自分が死亡すれば親権者がなくなる未成年の子がいる場合に、その子の親代わりとなる者、及びその者を監督する者を指定することができます

相続に関する事項

  • 相続人の廃除及び廃除の取り消し …
    推定相続人を廃除したり、過去に排除したけれども、それを取り消すときは、その請求を遺言に載せられます
  • 相続分の指定または指定の委託 …
    法定相続分通りではない相続を考えている場合、遺言書で各相続人の相続分を指定することが可能。相続分の指定を第三者に委託することもできます(遺留分の規定に反することは不可)
  • 遺産分割方法の指定または指定の委託 …
    例えば、自宅は長男、株式は二男にというように、各財産を誰に相続させるかを指定できます。また、分割方法を決めることを第三者に委託することもできます
  • 遺産分割の禁止 …
    これにより相続開始後5年間まで遺産の分割を禁止することが可能になります
  • 相続人間の担保責任の指定 …
    財産の分割後にその財産に欠陥があって損害を受けた場合、相続人同士は互いの相続分に応じて補償し合うことが義務付けられています。遺言でその義務を重くしたり軽くすることが可能になります
  • 遺贈の減殺方法の指定 …
    遺留分が侵害された場合、遺贈はすべて一律に贈与より前に遺贈額に按分して減殺されるという民法の定めを変えられます
  • 遺言執行者の指定または指定の委託 …
    遺言の内容を実行してもらう遺言執行者を誰に依頼するかを指定できます。子供の認知など、他の相続人の協力が得られづらいときに効果的。その指定を第三者に委託することもできます

財産処分に関する事項

  • 遺贈、寄付行為 …
    内縁関係にある者や特別に貢献してくれた者など、相続人以外にも財産を贈与したいときに遺言書による遺贈という方法が求められます。また、財団法人を設立するために財産を提供するなど、寄付の意思を表すことができます

遺言に記載しても効力がないものとは?

「遺骨を海にまいてほしい」「葬式はできるだけ豪華に」「愛犬の世話を頼む」「死後、臓器を提供したい」というような、単なる希望は遺言事項に該当しません。
しかし、これらの事項を遺言書に盛り込むと、遺言書が無効になるわけではありません。その内容を実行するかどうかは、遺族の判断に委ねられます。よって、必ず実行されるという確証はありません。ただし、遺言書に一言入れておくことで、遺族が被相続人の遺志をくんでくれる可能性はあります。
遺言書に関しては、肩肘張らずに懸念事項や希望などを盛り込んでおくのもよいでしょう。

遺言の種類

ひとくちに遺言といっても、一般的には3つの方法があります。

こんなケースは決して珍しくありません。遺言は法定相続に優先する効力を持ちます。被相続人が一生考えた末の遺志を記した遺言があれば、多くの相続人はその遺志を尊重する気持ちを持つものです。

1. 自筆証書遺言

遺言をする人自身が「全文」「日付」「氏名」を自筆し、捺印します。費用は一切かからず簡単です。一人で作成できるので、遺言を書いたことを秘密にできます。しかし、短所も数々あります。紛失の恐れがあり、第三者による隠匿、変造の危険性もはらんでいます。せっかく心を込めて遺言をしたためても、文意がうまく伝わらなかったり、形式に不備があると無効になってしまいます。そして、自筆証書遺言は家庭裁判所による検認手続きが必要となります。

メリット

  • 自筆で書けばよいので、費用がかからない
  • いつでも書くことができる
  • 内容や存在を秘密にできる

デメリット

  • 内容が不備になる可能性があり、無効になったり後に紛争の種を残してしまう危険性がある
  • 誤りを訂正した場合には、訂正した箇所に押印し、さらに「どこをどのように訂正したか」ということを付記して、そこにも署名しなければならないというように方式が厳格。方式不備で無効になってしまう危険がつきまとう
  • 全文自書しないといけない(パソコンやワープロ、タイプライターは不可)ので、病気等で手が不自由になり、字が書けなくなった方は利用できない
  • 自筆証書遺言は、遺言書を発見した者が必ず家庭裁判所にこれを持参し、相続人全員に呼出状を発送した上、遺言書を検認するための検認手続きが必要。一方、自筆証書遺言を発見した者が、自分に不利なことが書いてあると思ったときなどには、破棄したり隠匿や改ざんをしたりしてしまう危険がないとはいえない

2. 公正証書遺言

公証人役場で公証人によって作成してもらう公正証書。若干の費用がかかり、2名以上の証人が必要になりますが、最も安全で確実な遺言といえるでしょう。原本が公証人によって保管されるので、紛失や変造の恐れがありません。
遺言の有無について争う余地はゼロ。基本的に公証人が遺言者の意をくんで遺言を作成するので、文意解釈の相違が生じません。自筆証書遺言と違い、家庭裁判所による検認手続きが不要です。

メリット

  • 公証人のアドバイスの下、法律的に見てきちんと整理した内容の遺言を作成できる。
    方式の不備で遺言が無効になる恐れがない
  • 家庭裁判所で検認の手続きを経る必要がないので、相続開始後速やかに遺言の内容を実現することができる
  • 原本が必ず公証役場に保管されるので、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされる心配がない
  • 体力の低下や病気等で、被相続人が自書できなくても、公証人の代書にて作成できる

デメリット

  • 公証人等への費用がかかる
  • 作成手続きが煩雑
  • 遺言書作成時には2人の証人が必要なので、内容を完全には秘密にできない

3. 秘密証書遺言

遺言の内容を秘密にしておけます。遺言者が自分で作成した遺言書に署名捺印の上で封印し、公証人と2名以上の証人の前に提出。公証人に遺言書であることを述べて証明してもらいます。

メリット

  • 遺言内容自体を秘密にできる
  • 封書の中の文書は自筆でなくても、パソコンやワープロでも差し支えない

デメリット

  • 内容について公証人のチェックが入らないので、無効や後の紛争の恐れがある

公正証書遺言のポイント

遺言のなかで最もポピュラーな公正証書遺言とは何か? 簡単なポイントを勉強しましょう。

1. 公正証書遺言は公証人が書いてくれる

遺言者は何も書く必要がありません。公証人が遺言の内容を聞いて、遺言者に代わって証書を作ります。
数人の相続人について、遺言者が自由に相続の内容を定めることができます。1人の相続人だけにすべての財産を与える遺言もできます。
遺言者はいつでも遺言を取り消せます。また、遺言で与えることになっている財産を売って消費してしまうことも自由です。

2. 遺言執行者は後継者が便利

財産を受け取る相続人が単独で建物や土地の名義変更ができるように、後継者を遺言執行者に指名することができます。
この場合は、財産をもらう人の印鑑だけで名義書き換えができ、他の相続人の印鑑をもらう必要がありません。

3. 遺留分をどうするか?

遺留分権利者が遺言の内容に不服を持っていても、相続開始後に取戻を主張しないと、権利は時効で消滅します。
遺留分についての争いは、裁判所で解決してもらえます。その場合、遺留分権利者に一部の遺産を返還することになるかもしれません。しかし、金銭があればそれで賠償すればよく、不動産等の現物を返還する必要はありません。
また、争いを未然に防ぐために、あらかじめ遺言のなかで「遺留分権利者に遺留分に相当する額の金銭を月賦などで支払う」といったことを決めておくこともできます。

4. その他の事項

遺言で遺産をもらった人は、相続人同様、贈与税でなく相続税を払えばよいのです。相続税の税率と基礎控除額は贈与税よりはるかに有利です。
遺言者が署名した公正証書原本は、公証役場が永久的に保存します。正本と謄本は遺言者に渡します。これは紛失しても問題なく、再交付の請求ができます。
生命保険金と退職金は、約款や会社規程により受取人の指定があるので、遺言財産には含まれません。
市街化調整区域内の農地を相続人以外に贈与することは、ほとんどの場合、農業委員会の承認が得られないことを覚えておきましょう。

遺留分とは

例えば「妻に全財産を相続させる」「事業を継いでくれる三男にすべての不動産を相続させる」「生涯を通してお世話になった地域のために遺産を役立ててもらいたい」というように、遺言にどんな内容を書こうと原則的に自由です。つまり、特定の相続人に遺産を集中させる旨を記すことができます。

しかし、その際、何の財産も相続されなくなった相続人が生活に窮する可能性があります。そこで民法では、配偶者や子供、直系尊属(父・母等)に関しては、遺言書の内容に関係なく一定の範囲内で最低限の相続分を保障しています。これが遺留分です。遺言を記す際は、その他の相続人の遺留分について注意する必要があります。

例えば「長男に全財産を相続させる」と遺言で記した後、相続が発生すると、他の相続人から「遺留分の減殺請求」が来る場合があります。

したがって、遺言では「遺贈は総額の何分の一とする」よりも、個々の財産ごとに受遺者を決める方が具体的でベターです。

遺留分を侵害された相続人は、遺留分を侵害した相続人に対して「遺留分減殺請求」=遺留分に相当する財産を請求できます。この請求は相手方に対して書面にて行います。重要な書面なので、配達証明付きの内容証明郵便で送りましょう。

減殺請求を受けた側は、遺留分を侵害した部分についての遺贈または贈与が無効になり、その部分について返還する旨の意思表示をする必要があります。意思表示をしなければ、当然「争族」へと発展してしまいます。

また、遺言に代わるものとして「死因贈与契約」があります。これは、例えば「甲が死亡したときにA土地を乙に贈与する」というように、贈与する人の死亡を期限の到来として贈与の効力が生じる契約です。生前贈与と同じく死因贈与も契約なので、両当事者の合意を要し、合意の内容を契約書として作成して行います。
死因贈与契約は遺贈と同じく、贈与税ではなく相続税の課税対象となります。死亡を原因として遺産を取得する点で実質的差異がないからです。

遺産分割

円満な遺産分割を行うためには事前にやっておくべきでしょう。

円満な遺産分割

一般に相続対策と呼ばれるものに次の3つが挙げられます。

円満な遺産分割

遺産分割を争いなしでとり行うため、相続が開始する前から推定相続人の関係が良好であることが重要となります。

遺言書の作成も有効です。
遺言というと「財産を当てにしているようで何だか…」「縁起でもない…」と何かと敬遠されがちです。
しかし、遺言書は本人の意思が尊重されるもので、その意思と財産を受け継ぐ相続人たちにとって必要と言えるでしょう。

相続税の納税資金の確保(準備)

相続税として納める現金を確保することは、相続税対策の中で最も重要なことでしょう。
相続が発生するとすぐに納税資金を用意しなければなりません。
不動産をいくつも所有する地主さんなど、資産家の方ほど困ってしまうのです。

事前に対策をしておくと、例えば保険金を相続税の納税資金に充当することが可能です。

相続税の軽減(対策)

相続税の軽減とは課税価格を下げることです。
簡単に申しますと、相続財産の評価を下げたり、債務控除額を上げたりすることです。

相続税が軽減されると、支払いの額が下がって現金の確保が楽になります。
すると相続人にとっても遺産分割が進んで、円満な方向に行きやすくなります。

しかし、注目されがちな相続”税”対策は、あくまで相続対策のひとつ。
相続全体から対策を検討することが大切なのです。

ポイント

・円満な遺産分割には相続人の関係が良好であることが重要
・相続税が支払えるように納税資金の確保を検討する
・相続税が軽減されると、結果的に遺産分割が円満な方向に行きやすくなる

遺産分割の方法

財産を残す者のやるべきこととして、

残された者が末永く円満に仲の良い状態が続くように配慮すべきでしょう。
そのためにも相続において、事前の対策が重要になってきます。

複数の相続人がいる場合、遺産はどのように分割することになるのでしょうか?

遺言による分割

最初に「遺言書」があるかどうかの確認をします。

遺言書が自筆証書遺言書、秘密証書遺言書の場合は家庭裁判所で検認を受けましょう。

公正証書遺言書であった場合は、検認は不要となります。

遺言書では自分の思い通りに財産の分割方法を決めることができます。
ただその指定にもルールがあるので注意が必要です。

遺産分割協議による分割

遺言書が存在しない場合、遺産はすべて相続人全員の共有となり、どう分割するかの協議が必要です。
この協議を「遺産分割協議」といい、相続人全員の合意により分割協議が成立したときに遺産分割協議書の作成をします。

家庭裁判所の調停・審判による分割

遺産分割協議でまとまらなかった場合、家庭裁判所での「調停」や「審判」を仰ぐことになります。
これがいわゆる「争続」であり、亡くなった人が一番望まない方法となります。

財産を残すものとして、家族が相続トラブルにならないためにも、分配方法を前もって決めておくことが最低限必要なこととなります。
その具体的な方法のひとつが遺言書を残すことです。

きちんと専門家に相談して、後々に遺恨とならないよう周到な準備が必要でしょう。

ポイント

・遺産分割でトラブルにならないためには事前の対策がとても重要
・遺言書を使って、相続を残す者が財産の分割方法を決めることができる
・遺言書がない場合は遺産分割協議が必要

生前贈与

「自分がいなくなった後、残された家族はうまくやっていけるのか?」
「まだ健康だし、相続のことなんて後回し」

相続について不安を感じる方もいれば、今の自分にはまだ関係ない、と考える方など実に様々です。
ただ、具体的な対策を立てずに現状を先送りにして、後悔する方も少なくありません。

その事前の準備として、『生前贈与』は有効な対策の1つです。

生前贈与とは

相続手続きの反対に位置するのが生前贈与です。

生前贈与とは、直接本人が相手に財産を譲り渡すことです。

贈与は親子や親族の間だけでなく、互いの意思が一致すれば誰とでも行うことができます。

ただし贈与に伴って発生する贈与税は、一般的には相続税よりも高額になります。
それでもうまく使うと税金を少なく抑えることができ、なおかつ相続が発生したときに必要となる納税資金を事前に準備できます。
また直接相手に渡してしまうので、相続争いを回避するのにも有効です。

暦年贈与と連年贈与

暦年贈与とは

毎年1月1日~12月31日までの間(暦年)に贈与を受けた財産の金額の合計額に応じて贈与税を払う、いわゆる通常の贈与を指します。
贈与を受けた金額が110万円(基礎控除額)以下なら贈与税の申告が不要です。しかし、110万円を超える贈与を受けた場合には、贈与年の翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告が必要になります。その際、110万円を超える部分に贈与税が課されます。

例)130万円の贈与を受けた場合

(130万円-110万円)×10%(税率)=2万円の贈与税を納税します。

暦年贈与の目的

贈与税の目的は、被相続人が亡くなって相続税を課す前に、生前贈与で財産を減らされないようにすることです。相続税よりも重い税負担を贈与税で課すことで、贈与のハードルを上げています。

一方、贈与は相続税の節税に大いに有効です。贈与を受ける人ごとに毎年110万円までは贈与税がかかりません。よって、贈与する人を増やして、毎年少額ずつ贈与をしていけば相続税の節税になります。

連年贈与とは

「贈与を受けた金額が110万円の基礎控除額以下なら贈与税の申告が不要」という制度を活用し、例えば毎年110万円ずつ20年にわたって贈与するとします。

すると、20年間で110万円×20年=2,200万円贈与したことと同じになります。
1年単位では、基礎控除額110万円以下なので無税と考えますが、こうした方法は最初から2,200万円の贈与をする意図があったものとみなされ、2,200万円全額に課税されてしまうことがあります。これを連年贈与といいます。

連年贈与とみなされないためには

連年贈与とみなされないためには、以下のような工夫が必要です。

・贈与のつど、贈与契約書を作成する
・受贈者本人の預金口座に振り込み、証拠を残す
・ときには110万円を超える贈与をし、贈与税申告をする等の記録を残す
・毎年違う時期に、違う金額で贈与を行う等、単発の贈与であることを強調する
・受贈者自身が口座を作り、通帳と印鑑を管理する

相続時精算課税とは

相続時精算課税贈与とは

相続時精算課税贈与とは、65歳以上の親から20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫)への贈与なら通算で2,500万円まで贈与税がかからない制度です。ただし、贈与者が死亡したときには、遺産にこの制度で受けた贈与財産の金額を加えた合計額で相続税を計算する必要があります。

同制度は、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納付し、その贈与者が亡くなったときにその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額をベースに計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。
高齢化の進展等を踏まえ、高齢者の保有する資産を次世代に円滑に移転させるという観点から、平成15年に創設された制度なのです。

適用対象者

贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫)とされています(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)。

適用対象財産等

贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

税額の計算

1.贈与税額の計算

相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分し、その贈与者(親)から1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額をベースに贈与税額を計算します。

贈与税額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となる)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。

なお、相続時精算課税を選択した受贈者(子)が、相続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を控除し、贈与税の税率を適用し贈与税額を計算します。

※相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできません。贈与を受けた財産が110万円以下であっても贈与税の申告をする必要があります。

2.相続税額の計算

相続時精算課税を選択した者に係る相続税額は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなったときに、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や、遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額をベースに計算した相続税額から、既に納付した相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。

その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とします。

適用手続

相続時精算課税を選択しようとする受贈者(子)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に納税地の所轄税務署長に対して「相続時精算課税選択届出書」を、受贈者の戸籍謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出しなければなりません。

相続時精算課税は、受贈者である子それぞれが、贈与者である父、母ごとに選択できますが、いったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなったときまで継続して適用され、暦年課税に変更することはできません。

不動産の名義変更

土地の名義変更、建物の名義変更など

不動産に関わる名義変更に伴い心配なのが税金です。

安易な考えで名義変更をしたばかりに、予想もしない納税の請求が来たというケースも少なくありません。

ここでは、事前に知っていただきたい内容をご紹介します。

不動産の名義変更不動産の名義変更

土地、建物、マンションなど不動産に関わる所有者の情報は、

法務局に備えてある登記簿に記載され、一般に公開されています。
これは不動産の状況を透明化して、取り引きの安全と円滑をはかるためです。

不動産に関わる名義変更に伴い気になるのが税金です。
安易な考えで名義変更をしたばかりに、予想もしない納税の請求が来たというケースも少なくありません。

相続の場合、相続税。
贈与の場合、贈与税、不動産取得税。
売買の場合は、不動産取得税、登録免許税など直接的にかかる税金とは別に、その他にもいくつか税金の種類があります。

不動産取得税については、土地・家屋を取得したときに1度だけかかる税金です。

一定の条件を満たせば、不動産取得税の軽減が受けられます。不動産にかかる税金は、いろいろと種類があり、高額になることもしばしば。

ただ、税金の減額や免除など、事前に対策を講じれば節約することが可能です。
特に相続に強い専門家に相談することをお勧めします。

相続を税理士に依頼するメリット

納税額が変わってくる

税理士によって財産評価、
結果的には相続税額が違ってくることは本当のお話です。

理由は、税理士により相続の実績・経験が違ってくるからです。

また路線価と地図だけでは正しい土地の評価が難しいことがあります。
でも経験のある税理士は、あらゆる環境下の土地でも評価の基準を心得ており、結果的に節税につながることもあります。

相続に関しては相続の経験・実績がある税理士に相談しましょう。

節税対策や円満な相続ができる

相続において節税対策は大切なポイントになります。

また二次相続(配偶者に相続が発生した場合)をふまえた対策も重要です。

節税対策には相続人の状況に応じて、あらゆる方法が考えられるため”お金の専門家”である税理士、特に相続に特化した実績ある専門家にご相談することをお勧めします。

そうすることで今後やるべきことが明確になり、円満な相続がまっています。

まずはお気軽にご相談ください。

以上、資料提供は、相続・贈与相談センターさんでした。

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相続税申告後の税務調査

相続税申告後の税務調査

税務調査

税務調査は預貯金の流れが最重要ポイントです


相続税の申告書を提出して一番心配なのは税務調査です。
税務調査が来るのは「4件に1件の割合」と言われていますが、財産、特に多くの預貯金が頻繁に動いている場合や、争いがあったときは調査の対象として選定される場合が多いようです。


1.税務調査とは


税務調査には任意調査と強制調査とがあり、任意調査に法的な拘束力はなく、現状調査や帳簿の調査が行われます。一方、強制調査には法的な拘束力があり、臨検、捜査、差し押さえ等がなされます。
税務調査のほとんどは、前者の任意調査です。

調査の手順としては、最初に税務署から納税者(又は税理士)に電話がきますので、調査の対象となる年度や、当日必要な書類について事前に確認しておくと良いでしょう。ただし、業種によっては(現金商売の場合等)抜き打ち調査もありえます。

税務調査の結果特に問題がない場合には、税務署から納税者または調査に立ち会った税理士に対し、調査終了の通知がきます。問題箇所が見つかった場合には修正申告を行うことになりますが、その場合には延滞税や過少申告加算税、あるいは重加算税がかかります。


2.税務調査の流れ


調査の流れとしては、最初に税務署から納税者(または税理士)に電話がきて相続人との日程の調整が行われます。このとき、調査の対象となる年度や、当日必要な書類について事前に確認しておくと良いでしょう。
当日は朝10時から調査が始まり午後5時位までかかりますが、午前中に終了ということもあります。調査は2名の税務署職員が相続人の家に訪れ、午前中は聞き取り調査、午後は通帳・権利書等重要書類の確認を行います。


相続税の税務調査でよく質問される項目
午前 午後
  • 相続人の仕事、趣味、性格、入院暦、病気の状況の確認
  • 亡くなる前の意思があったか
  • 財産(主に預貯金)の管理者は誰だったのか
  • 医療費はどこから出していたか
  • 生活費はどのように捻出していたか












ポイント

「亡くなった方の財産が生前の収入に対して適正な額か」

「贈与税の申告もなく家族の名義になった財産はないか」

  • 相続人が生前に財産(預金通帳、権利書等)を保管していた場所の確認
  • 二次相続の場合には一次相続での名義の書き換えをしているかどうか(一次相続のときにその配偶者が相続したものが漏れていないかどうかの確認)を前の相続税の申告書と突合せをする(特に預貯金)
  • 被相続人からの贈与についての確認(金額、時期、申告の有無)とその贈与後の通帳・証書の保管者の確認
  • 各印鑑の使用方法の確認(家に保管してある全ての印鑑の印影をとる)
  • 預金通帳について家族全員分の金融機関・番号・残高・取引内容の確認
  • 縄延びの確認(土地の測量図が家に残っていないかを確認)
※縄延びとは、登記簿上の土地面積より実測面積が大きいことをいいます
3.税務調査で注目される預貯金の流れ


相続税の税務調査で一番問題になるのは現金預金の取引内容です。
特に名義預金の関係は詳しく調べられます。

名義預金というのは、亡くなった方の預貯金が贈与の手続きを経ずに他の家族の名義になっているものです。税理士も申告書作成時には被相続人の過去何年間かの預貯金の流れを確認します。特に大きい出金に関してはどこへいったのか、亡くなった日現在でほかの家族の名義になっていないか等をよく調べます。

税務署に相続税の申告書が提出されると、税務署の担当官が関係のありそうな全ての金融機関に相続が発生した日現在の被相続人、相続人、家族の預貯金の残高と過去何年間かの預貯金の取引明細の問い合わせがあります。


4.税務調査を終えて


税務調査を終えて後日、税務署・納税者・税理士との間で問題点の調整後、税金を納める場合には修正申告書を提出します。
また、戻る部分があれば更正の請求書・更正の申出書を提出することになります。
税務調査は現預金の流れが最重要ポイントです。
被相続人の生前の入出金についてしっかり把握し、贈与の申告等の漏れがないか再度確認してみることが大切です。


5.税務調査対策


ランドマーク税理士法人は、高品質な相続税申告サービスを目指し、書面添付制度を導入しています。

書面添付制度
書面添付制度とは、税理士が顧客の税務申告に際して、税理士法(第33条の2第1項)に規定される計算事項等を記載した書面を添付する制度です。書面添付を行うことは、申告書類の品質保証となり、税務署からの信頼を得ることに繋がります。

 

提供は

相続税対策のプロフェッショナル|ランドマーク税理士法人

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