税金の知識と学習① ~20のポイント

①★非居住者の課税★

■ 居住者(非永住者、非永住者以外の者)、非居住者の区分 ■

区 分 定 義
居住者(国内に住所がある、また
は1年以上居所を有する個人)
永住者 非永住者以外の居住者
非永住者 日本国籍がなく、かつ、過去10年以内に国内に住所または
居所を有していた期間が5年以下である個人
非居住者 国内に住所がなく、かつ、現在まで引き続き1年以上居所を有しない個人


■ 課税所得の範囲 ■

区 分 課税所得の範囲
居住者 永住者 国内源泉所得及び国外源泉所得
非永住者 国内源泉所得、国内で支払われた国外源泉所得、国外からの送金
非居住者 国内源泉所得


■ 非居住者の課税方法 ■

非居住者の状況 課税方法
国内に恒久的施設(支店等)がある場合 申告納税方式(所得控除は、雑損控除、寄附金控除、基礎控除)
利子等は居住者と同様に源泉分離課税
上記以外の場合 源泉分離課税

※源泉分離課税とは、収入から一定の率の所得税を源泉徴収することで課税関係を終了させる方法のことです。
※平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税(所得税に対して2.1%)をあわせて徴収しなければなりません。この取扱いは非居住者に対しても同様です。ただし、わが国と非居住者等の国との間に租税条約が結ばれており、わが国の税率が租税条約に定められた限度税率を上回るときは、限度税率により源泉徴収することとなります。なお、限度税率で所得税を源泉徴収する場合には、復興特別所得税を併せて源泉徴収する必要はありません。

■ 非居住者の源泉徴収税率 ■
非居住者の源泉徴収の対象となる所得とその税率の主なものは次の通りです。

利子等 15.315%
配当等 上場株式等=平成25年:7.147%、平成26年以後:15.315% 
非上場株式・上場株式等の大口株主=20.42%
不動産の賃貸料等 20.42%
(自分や家族の居住用に借りている個人から支払われるものは除きます)
土地の譲渡対価 10.21%
(自分や家族の居住用に買った個人から支払われる対価で1億円以下のものは除きます)
人的役務提供事業の対価 20.42%
給与等 20.42%


なお、非居住者は原則として住民税は非課税です。ただし、日本に住んでいなくても日本国内に事務所か家屋を持っている場合は均等割のみ課税されます。

 

②★非課税所得★

■ 非課税所得 ■

非課税所得とは、政策的見地や社会的配慮から所得税を課さないこととされているものです。非課税となる所得は、所得税法、租税特別措置法のほか、雇用保険法、厚生年金保険法等の特別な法令に規定されており、誰からどのような事情で得た所得が非課税所得に該当するのかが定められています。

■ 所得税法の規定により非課税とされる主なもの ■
① 当座預金の利子(年1%超の利子が付されるものは除かれます。)
② 給与所得者が受ける月10万円以下の通勤手当
③ 生活に通常必要な動産の譲渡による所得
(1個当たり30万円超の貴金属、書画・骨董、美術工芸品は除きます。)
④ 資力を喪失した者が債務の弁済に充てるため、競売等の強制換価手続きにより資産を譲渡した場合の譲渡所得
⑤ オープン型証券投資信託の元本払戻金(特別分配金)
⑥ 文化功労者年金・ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品・日本オリンピック委員会等の一定の財団から交付されるメダリストへの金品等
⑦ 扶養義務者相互間で扶養義務を履行するため給付される金品
⑧ 個人からの相続、遺贈、贈与により個人が取得した財産(相続税法の課税対象となります。)
⑨ 心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に対して受ける保険金及び損害賠償金等
⑩ 選挙費用に充てるために贈与された金品で公職選挙法に規定する報告がなされたもの

■ 租税特別措置法の規定により所得税が非課税とされる主なもの ■
① 一定の要件を満たしたストックオプションによる経済的利益
② 国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得
③ 相続税の支払いに充てるために財産を物納した場合の譲渡所得

■ その他の特別な法令により所得税が非課税とされる主なもの ■
① 雇用保険の失業給付、健康保険の出産手当・傷病手当、介護保険の保険給付、労災保険の保険給付
② 生活保護法に基づく生活保護の支給金
③ 児童手当法により支給される児童手当
④ 障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金、その他心身の障害に基因する年金
⑤ 遺族基礎年金、寡婦年金、遺族厚生年金、遺族共済年金、遺族恩給、遺族企業年金
⑥ 当選金付証票法による宝くじの当選金品

■ 非課税所得の取扱い ■
所得税の計算上、非課税とされた所得については、合計所得に含まれません。たとえば遺族年金が支給されている母親を同居する子の扶養控除の対象とすることができるか否かの判定をするときに、遺族年金の額は除外して、母親のその他の所得の合計額が38万円を超えているかどうかで判定することになります。

 

③★不動産所得★

■ 不動産所得の範囲 ■

① 不動産所得とは、土地や建物等の不動産、船舶、航空機の貸付けによる所得をいいます。
② 不動産収入には、礼金、権利金、名義書換料、承諾料、更新料、返還を要しない敷金や保証金、共益費等の名目で受ける水道光熱費や清掃代等も含まれます。
③ 役務の提供を伴う所得や、事業に付随して一時的に不動産を使用させることによる所得は、事業所得または雑所得に該当します。

■ 不動産所得の収入金額 ■
不動産所得の収入金額は、その年中に収入すべきことが確定した金額により計算します。家賃等の支払いが遅れていたとしても、契約上の支払うべき日付により収入に計上しなければなりません。

■ 不動産所得の収入金額の計上時期 ■
① 一般的な賃貸料の収入計上時期

支払日が定められている場合 契約等で定められた支払日
支払日が定められていない場合 請求があった時に支払うべきもの 請求があった日
その他のもの 支払いがあった日
継続的な前受・未収経理の記帳
をする等の要件を満たす場合
貸付期間に対応する期間


② 礼金、権利金、更新料、名義書換料等の収入計上時期

貸付物件の引渡しを要する場合 引渡日または契約の効力発生日
貸付物件の引渡しを要しない場合 契約の効力発生日

※礼金とは、借主の入居時に支払われるもので、返還される性格のものではありません。
※権利金とは借地契約、借家契約時に支払われるもので、他人に不動産を使用する権利を与えることにより受け取るものをいいます。(※土地の時価の1/2を超える権利金収入は譲渡所得に該当します。)

③ 敷金、保証金の収入計上時期

経過期間に関係なく返還
しないことが確定した金額
貸付物件の引渡しを要する場合 引渡日または契約の効力発生日の属する年分
貸付物件の引渡しを要しない場合 契約の効力発生日の属する年分
経過期間に応じて返還しないことが確定していく場合 返還しないことが確定した年分
解約時期等により返還しない金額が確定していく場合 解約等があった年分

※敷金(保証金)とは、賃貸期間中に家賃の滞納があれば充当し、滞納がなければ借主が立ち退く際に返還するものです。あらかじめ契約において返還しない金額や、退去時の清掃・修繕費用に充当した残額のみを返還することを定めておき、後々のトラブルを回避します。

 

④★相続財産を譲渡したときの取得費★

■ 土地建物等の譲渡所得の計算 ■

土地建物の譲渡所得は、
譲渡所得の金額=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)
で計算し、分離して課税されます。

■ 取得費となるもの ■
① 購入代金
② 登記費用(業務用資産の必要経費に算入していないもの)
③ 改良費(修繕費に該当しないもの)
④ 購入のための借入利息のうち借入日から使用開始の日までの期間に対応するもの
⑤ 購入時の仲介料(業務用資産の必要経費に算入していないもの)

■ 建物等の減価償却資産の取得費 ■
建物については下記の減価償却費相当額を購入代金から控除します。
① 業務用建物 ⇒ 各種所得金額の計算上、必要経費に算入された金額の累計額
② 非業務用建物 ⇒ 建物の取得価額×0.9×旧定額法償却率×経過年数
※旧定額法償却率は法定耐用年数に1.5を乗じた年数に係る償却率とし、1年未満の端数は切り捨てます。
※経過年数は、6ヵ月未満は切り捨て、6ヵ月以上は切り上げます。

■ 相続や贈与によって取得した資産の取得費と取得時期 ■
相続や贈与によって取得した資産については、被相続人や贈与した人が、その資産を取得した時の購入代金や購入手数料をもとに計算します。なお、相続や贈与により取得した際に相続人や受贈者が支払った不動産取得税や不動産登記費用も取得費に含まれます。
相続や、贈与で取得したときの資産の取得日は、被相続人や贈与した人の取得の時期が引き継がれます。

■ 概算取得費 ■
実際の取得費が不明な場合や、譲渡収入の5%未満の金額である場合には、譲渡収入の5%相当額を取得費として計算することができます。ただし、登記費用や改良費等の費用を加算することはできません。

■ 相続税の取得費加算 ■
相続により、取得した土地、建物、株式などを一定期間内に譲渡した場合は、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。
この特例を受けるための要件は ①相続や遺贈により財産を取得した者で、相続税が課税されていること ②その財産を相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限後3年以内に譲渡することです。その加算額は次の算式で求めます。

資産を譲渡した
者の相続税額
  ×   譲渡した相続財産の課税価額(注)

譲渡した者の相続税の課税価額の合計額

(注)土地等を譲渡した場合は、相続で取得したすべての土地等

⑤★個人事業主の退職金制度★

■ 退職所得の範囲 ■

退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職したことに基因して一時に支払われる給与をいいます。

■ 青色事業専従者に支払う退職金と個人事業主の退職金 ■
青色事業専従者に対する退職金は事業主の必要経費に算入できません。また、個人事業主の自分自身への給与、賞与、退職金は必要経費にはなりません。

■ 小規模企業共済 ■
小規模企業共済は、個人事業をやめるときや個人事業の廃業などにより共同経営者を退任するときなどの退職金の積立て制度です。個人事業主と一事業主につき2名までの「共同経営者」で一定の要件を満たす者が加入できます。個人事業の場合は共同経営者とは青色事業専従者と考えていいでしょう。

小規模企業共済の税法上の取扱い

掛金支払い時の取扱い 支払った者の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)

 

共済金給付理由 所得の区分 課税方法
共済金 死亡以外の一括受取
(廃業・事業譲渡等)
退職所得 源泉徴収(退職所得の受給に関する申告
書の提出・加入期間に応じた控除額)
死亡以外の分割受取 雑所得 源泉徴収有り。公的年金等の雑所得扱い
死亡 相続税 みなし相続財産として相続税申告
解約手当金 65歳以上任意解約 退職所得 源泉徴収(退職所得の受給に関する申告
書の提出・加入期間に応じた控除額)
65歳未満任意解約 一時所得 共済掛金総額は一時所得の計算上、支
出した金額に算入できない


■ 中小企業退職金共済 ■
中小企業退職金共済は、独力では従業員の退職金制度を設けることが難しい中小事業者のための退職金制度です。新規加入や掛金の増額に対し国の助成金があり、掛金は全額必要経費となります。
中小企業退職金共済の税法上の取扱い

掛金支払い時の取扱い 事業主の必要経費

 

共済金給付理由 所得の区分 課税方法
共済金 死亡以外の一括受取 退職所得 源泉徴収(退職所得の受給に関する申告
書の提出・加入期間に応じた控除額)
死亡以外の分割受取 雑所得 源泉徴収有り。公的年金等の雑所得扱い
死亡 相続税 みなし相続財産として相続税申告
解約手当金 事業主が中退共の
契約解除・脱退
従業員の
一時所得
共済掛金総額は事業主が負担しているた
め、一時所得の計算上、支出した金額は
0となる

⑥★個人事業者の減価償却★

■ 強制償却 ■

所得税の計算上、事業の用に供している減価償却資産について、減価償却費を必要経費に計上しなかった場合においても、その金額は償却があったものとして扱われます。つまり、その年分で減価償却費の計上漏れがあっても、償却は強制的に進められますので、訂正申告(申告期限前)か更正の請求(申告期限後)により追加計上しない限り、必要経費に算入できなくなるということです。

■ 個人の減価償却資産の償却方法 ■

取得時期 減価償却資産の種類 法定償却方法 届出により
採用できる方法
平成19年
3/31以前
建 物 旧定額法 な し(注1)
建物附属設備、構築物、機械装置、
車両運搬具、工具、器具備品
旧定額法 旧定額法
旧定率法
平成19年
4/1以後
建 物 定額法 な し
建物附属設備、構築物、機械装置、
車両運搬具、工具、器具備品
定額法 定額法
定率法(注2)

(注1)建物は平成10年3月31日以前取得分については旧定率法を選択することができましたが、現在は定率法を選択できません。
(注2)平成19年4月1日~平成24年3月31日の取得分の償却率…1÷耐用年数×250%
平成24年4月1日以後の取得分の償却率…1÷耐用年数×200%

■ 減価償却費の計算方法 ■
① 旧定額法 ⇒ 取得価額×0.9×償却率
② 旧定率法 ⇒ 前年末未償却残高×償却率
③ 定額法 ⇒ 取得価額×償却率
④ 定率法 ⇒ 調整前償却額(前年末未償却残高×償却率)と償却保証額(取得価額×保証率)を比較し、調整前償却額が償却保証額を上回るときは調整前償却額とし、下回るときは改定取得価額×改定償却率で算出します。
*年の途中で事業の用に供した場合は上記で算出した金額に対し、事業供用月数/12月を乗じます。

■ 事業供用割合 ■
個人事業者は、減価償却資産を家事用にも使用することがあります。事業所得や不動産所得の必要経費となる減価償却費は、事業の用に供した部分だけですので、償却費のうち、事業専用割合を乗じた金額が必要経費に算入されます。事業専用割合は、使用頻度等を基に合理的な割合によります。

■ 非業務用から業務用に転用した場合 ■
個人事業者は、家事用に使用していた資産を業務の用に転用する場合があります。転用後の減価償却の計算は、まず、非業務用資産として使用していた期間の「減価の額」の計算を行い、この「減価の額」をその資産の取得価額から控除した金額を、その業務の用に供した日におけるその資産の未償却残高とします。そして、この未償却残高を基礎として、業務の用に供したのちの減価償却費の計算を行います。

■ 非業務用資産の転用時の未償却残高相当額 ■

その資産の取得価額-取得価額×0.9×旧定額法償却率(注1)×非業務用経過年数(注2)

(注1)同種の資産の法定耐用年数の1.5倍の年数の場合の旧定額法償却率⇒1年未満の端数がある場合は端数は切捨て
(注2)非業務用経過年数の年数に1年未満の端数がある場合は6ヵ月以上の端数は1年とし、6ヵ月未満の端数は切捨て
(注3)非業務用資産については平成19年4月以後に取得した資産であっても旧定額法により計算し、償却限度額は5%です。

 

⑦★損益通算の順序★

■ 損益通算と内部通算の違い ■

  損益通算 内部通算
通算の内容 特定の所得金額の損失金額(赤字)を
他の所得金額(黒字)と通算すること
同じ所得内で赤字と黒字を通算すること
通算可能な損失 事業所得、不動産所得、譲渡所得
(総合)、山林所得の損失
所得を問わず可能
通算できない損失
(主なもの)
・配当所得、一時所得、雑所得の損失
・生活に通常必要でない資産の譲渡損失
・不動産所得の損失のうち土地取得に要
した負債利子相当額
・不動産所得の損失のうち生活に通常必
要でない資産に係る損失
・土地建物の譲渡損
・株式等の譲渡損
損失がなかったものとみなされる取引
・生活用動産の譲渡損や公社債の譲渡損
・時価の1/2未満での資産の譲渡による損失


■ 損益通算の順序 ■
① 総所得金額を構成する所得を経常所得グループ、臨時所得グループに分け、グループ内で第1次通算をします。
② 経常所得グループと臨時所得グループで第2次通算をします。(総所得金額となります。)
③ 山林所得→退職所得の順で第3次通算をします。
④ 第3次通算後も赤字の残額がある場合、青色申告者の赤字や、変動所得の赤字、被災資産の赤字などについては、申告手続きを要件に翌年以降に繰り越すことができます。



※一時所得は、50万円の特別控除後の金額で計算し、第2次通算後に1/2を乗じます。
※経常所得グループの赤字を第2次通算で臨時所得グループの黒字と損益通算するときは譲渡所得(総合)→一時所得の順で通算します。

 

⑧★扶養控除★

■ 扶養控除とは ■

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族になる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

■ 所得税の扶養控除 ■

種 類 対象年齢 区  分 扶養控除額
扶養親族 0歳~15歳   0円
16歳~18歳   38万円
特定扶養親族 19歳~22歳   63万円
成年扶養親族 23歳~69歳   38万円
老人扶養親族 70歳~ 同居老親等 58万円
その他の場合 48万円


■ 扶養親族の要件 ■
扶養親族とは、下記のすべての要件を満たす者をいいます。
① 控除対象扶養親族とは扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の者をいいます。15歳以下の者は、児童手当制度による給付金があるため、扶養控除の対象から除外されています。
② 納税者の親族(配偶者を除きます。)、児童福祉法に基づく里子、老人福祉法に基づく委託老人のいずれかに該当する者であること。
③ その年の末日(年の中途で死亡した場合は死亡の日)現在で納税者と生計が一であること。
④ その年の合計所得金額が38万円以下の者であること。

■ 控除対象扶養親族 ■
控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、年齢が16歳以上の者をいいます。

■ 特定扶養親族 ■
特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の者をいいます。

■ 老人扶養親族 ■
老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の者をいいます。

■ 同居老親等 ■
同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系の尊属(父母・祖父母など)で納税者又はその配偶者と常に同居している者をいいます。「同居」については、病気の治療のため入院している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居として取り扱うことができます。
ただし、老人ホーム等へ入所している場合は、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。

 

⑨★配偶者控除・配偶者特別控除★

■ 配偶者控除とは ■

納税者に控除対象配偶者がいる場合には、38万円(70歳以上は48万円)の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。配偶者の要件は次の通りです。
・ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
・ 合計所得金額が38万円以下であること。
・ 青色事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと又は白色事業専従者でないこと。

■ 配偶者特別控除 ■
配偶者控除の適用がない人で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合で、かつ、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満である場合について、次の表により計算した配偶者特別控除の適用が受けられます。

配偶者の合計所得金額 配偶者特別控除の控除額
38万円超  40万円未満 38万円
40万円以上 45万円未満 36万円
45万円以上 50万円未満 31万円
50万円以上 55万円未満 26万円
55万円以上 60万円未満 21万円
60万円以上 65万円未満 16万円
65万円以上 70万円未満 11万円
70万円以上 75万円未満  6万円
75万円以上 76万円未満  3万円
76万円未満 0


なお、配偶者の一方が他の配偶者を配偶者特別控除の対象としている場合、他の配偶者は一方の配偶者を配偶者特別控除の対象とすることができません。これは夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除の適用を受けることは認めない趣旨によります。

■ 合計所得金額とは ■
合計所得金額とは、損益通算できるものがある場合は損益通算後の各所得金額の合計額をいいます。ただし、純損失や雑損失、居住用財産の譲渡損失の繰越控除等を差し引く前の金額で、さらに居住用財産の特別控除(3,000万円控除制度)等を差し引く前の金額を合計所得金額といいます。

■ 年の途中で出国した者 ■
その者が納税者の扶養親族や控除対象配偶者に該当するか否かは、その年12月31日の現況で判断します。その判定に係る者がその年中にすでに死亡している場合はその死亡の時の現況によります。なお、納税者自身が年の途中で死亡又は出国した場合はその時の現況により、判断します。

■ 12月31日の現況による判定 ■
年の途中で死亡した居住者の控除対象配偶者であっても、その後その年中に、他の居住者の扶養親族となった場合には、その者の扶養親族として控除の対象とすることができます。

 

⑩★医療費控除★

■ 医療費控除 ■

医療費控除とは、納税者が本人、本人と生計を一*にする配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合に、下記の金額を医療費控除として所得金額から控除することです。

(支払医療費の額-保険金等の補てん額)-総所得金額等×5%(注)


*同居又は別居の場合は生活費の仕送りをしている状態であれば生計一親族と判断します。
(注)10万円超の場合は10万円

■ 医療費控除の支払額の計上時期 ■
医療費控除の支払額は、その年中に実際に支払った金額が対象となります。治療を受けた翌年に、医療費を支払った場合には、翌年分の医療費控除の対象となります。

■ 保険金などで補てんされる金額 ■
医療費の補てんを目的として支払いを受ける下記のものは、支払医療費の額から差し引きます。
① 生命保険会社や損害保険会社から医療費の補てんを目的として支払いを受ける医療保険金、入院給付金、傷害費用保険金等
② 健康保険から支給される療養費、出産育児一時金、高額療養費、高額介護サービス費等
③ 任意の互助組織から支払いを受ける給付金
※上記の金額が確定申告までに未確定であっても、見込額を差し引いた額で申告しなければなりません。その後、見込額と異なる場合は、修正申告または更正の請求により訂正します。
※上記の金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。補てんされる金額の方が上回る場合であっても、他の医療費からは差し引きません。
※医療費を支払った人と、その医療費を補てんするための給付金の受取人が異なる場合であっても、医療費の補てんを目的として支払いを受ける給付金である限りは、その医療費から差引きます。

■ 医療費控除の対象となる医療費 ■

対象となる医療費 対象とならない医療費
・ 治療・療養のための支出・歯の治療 入れ歯
・ 医師の治療を受けるために直接必要な眼鏡・補聴器等
・ 通院のための交通費、緊急時のタクシー代
・ 入院中に支給される食事代
・ 人間ドッグ・健康診断(異常が発見されたとき)
・ 薬局での治療目的の医薬品購入
・ 出産費用
・ 治療目的のはり、きゅう、あんま等による施術
・ 保健師、看護師等の療養上の世話の対価
・ 介護老人保健施設、介護療養型医療施設等の対価
・ 病院の都合による個室の差額ベッド代

・ 近視・遠視の矯正用の眼鏡等
・ 通院のためのガソリン代、駐車場代
・ 入院中の出前や外食
・ 人間ドッグ・健康診断(異常が発見されないとき)
・ 病気予防の健康食品、栄養ドリンク、漢方薬
・ 予防接種・美容整形
・ 疲れをいやし、体調を整えるはり、きゅう、あんま等
・ 家族の付き添い料 医師への謝礼

本人の都合による個室の差額ベッド代

(注)医療費控除は、その医療費について「領収した者のその領収を証する書類」を確定申告書の提出の際に提示しなければならないこととなっています。健康保険組合が交付する「医療費のお知らせ」は「医療費を領収した者のその領収を証する書類」に該当しませんので、領収書の代わりとすることはできません。

 

⑪★地震保険料控除★

■ 地震保険料控除の対象となる損害保険契約 ■

以下の契約に附帯して締結される契約またはこれらの契約と一体となって効力を有する契約に係る地震保険料が地震保険料控除の対象となります。

契 約 先 契 約 内 容
損害保険会社
外国の損害保険会社(国内で締結した契約のみ)
損害保険契約
農業協同組合(連合会) 建物更生共済契約、火災共済契約
農業共済組合(連合会) 火災共済契約、建物共済契約
漁業協同組合・水産加工業協同組合
共済水産業協同組合連合会
建物共済契約、動産共済契約、
火災共済契約
火災共済協同組合・消費生活協同組合連合会 火災共済契約、自然災害共済契約
教職員共済組合・全国交通運輸産業、全日本自治体、
電気通信産業、日本郵政グループの労働者共済組合
自然災害共済契約

※地震保険料控除の対象となる契約については、地震保険料控除証明書が発行されます。

■ 旧長期損害保険料に係る経過措置 ■
平成18年12月31日までに締結した旧長期損害保険料(保険期間が10年以上で満期返戻金がある契約)についても地震保険料控除の対象となります。

■ 地震保険料控除額 ■

区  分 支払金額合計額(A) 地震保険料控除額
地震保険料のみ 5万円以下 支払保険料の全額
5万円超 5万円
旧長期損害保険料のみ 1万円以下 支払保険料の全額
1万円超2万円以下 (A)×1/2+5千円
2万円超 1万5千円
地震保険料と旧長期
損害保険料がある場合
地震保険料控除額の合計額が5万円を超える場合は5万円

※地震保険料控除額の計算は1円未満の端数は切り上げます。
※一の契約で地震保険料と旧長期損害保険料の両方に該当する場合は、いずれか一方を選択しなければなりません。地震保険料控除額が大きくなる方を選択したほうが有利です。国税庁HPの申告書作成コーナーで両方入力しますと、有利な方を自動的に選択して計算されます。

(例1)一の契約で地震保険料:2万円 旧長期損害保険料:3万円に該当する場合
⇒ 地震保険料を選択します。(地震保険料控除額は2万円です。)
※旧長期損害保険料を選択しますと、地震保険料控除額は1万5千円となります。

(例2)一の契約で地震保険料:1万円 旧長期損害保険料:3万円に該当する場合
⇒ 旧長期損害保険料を選択します。(地震保険料控除額は1万5千円です。)
※地震保険料を選択しますと、地震保険料控除額は1万円となります。

 

⑫★共有の住宅のローン控除★

■ 住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除) ■

居住者が、償還期間が10年以上の住宅ローンを利用して自宅の新築、購入、増改築等をして、6ヵ月以内に居住の用に供し、年末まで引き続き居住している等の一定の要件を満たす場合には、居住年から10年間住宅ローン控除の適用を受けることができます。

■ 住宅ローン控除額の計算 ■
① 住宅ローンの年末残高
(平成25年中に居住開始の場合2,000万円、認定長期優良住宅等の場合は3,000万円が上限)
② 住宅の取得対価の額
(①、②のいずれか小さい金額)×1% ※百円未満切捨て

■ 共有で住宅を取得する場合の住宅ローン控除額の計算 ■
住宅を共有とする場合には、持分に応じて負担しなければなりません。負担した額以上の持分登記をすると、贈与を受けたものとみなされます。

■ 連帯債務がある場合の住宅ローン控除額の計算 ■
住宅ローンを共有者の連帯債務で借り入れている場合には、その持分に応じて負担するものとします。この場合において、共有者のうち、頭金を支払っている者があるときは、その支払額を差し引いて住宅ローンの負担すべき割合を計算します。住宅ローンの年末残高に、この負担すべき割合を乗じた金額が各人の年末残高となります。

(例)夫婦で1/2ずつ共有で4千万円の住宅を購入した場合の負担すべき連帯債務の計算
① 全額連帯債務による住宅ローンで購入した場合の負担割合(負担すべき債務)
⇒ 夫:2千万円 妻:2千万円
② 夫が頭金を1千万円支払い、3千万円を連帯債務による住宅ローンで購入した場合の負担すべき債務
⇒ 夫:1千万円 妻:2千万円

■ 連帯債務と連帯保証 ■
連帯債務者はそれぞれが、債権者に対して債務の全額に対して返済義務が生じます。ですから、それぞれが住宅の持ち分に応じた債務部分についての住宅ローン控除の適用があります。
一方、連帯保証人は主たる債務者の返済が滞った時に、はじめて債権者から返済請求されます。つまり、自分の借入金ではないため、連帯保証人は住宅ローン控除の適用は受けられません。

■ 家屋と土地の所有者が異なる場合 ■
住宅ローン控除の対象となる借入金は、家屋またはその家屋と共に取得するその家屋の敷地の借入金でなければなりません。
したがって、たとえば土地の所有者は夫、家屋の所有者は妻である場合は家屋の所有者である妻だけが住宅ローン控除の適用を受けられます。

■ 所得基準 ■
住宅ローン控除は、合計所得金額が3,000万円以下の年に適用を受けられます。

 

⑬★白色申告者の記帳義務の拡大★

■ 白色申告者の記帳制度 ■

白色申告者(青色申告者以外の者)でも一定の人には次のような記帳制度や記録保存制度が設けられています。

■ 記帳制度 ■
前々年分あるいは前年分の事業所得等(事業所得、不動産所得及び山林所得)の合計額が300万円を超える人(=記帳対象者)は、帳簿を備え付けて、収入金額や必要経費に関する事項を記帳する必要があります。

■ 記録保存制度 ■
事業所得等がある人で、前々年分あるいは前年分の所得税について次のいずれかに該当する人は帳簿や書類を保存する必要があります。
・ 確定申告書を提出している人
・ 税務署長から決定処分を受けている人
・ 総収入金額報告書を提出している人(=記録保存対象者:総収入金額報告書とは事業所得等の総収入金額の合計額が3,000万円を超える人のうち、確定申告書を提出していない人が提出するものをいいます)

《帳簿書類の保存期間》

帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年


■ 白色申告者の記帳義務の拡大 ■
個人の白色申告者のうち、事業所得等を生ずべき業務を行うすべての人は、平成26年1月から記帳と帳簿書類の保存が必要となります。なお、この義務は所得税の申告の必要のない人も含まれます。

■ 青色申告の場合 ■
青色申告者は、原則として正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)の原則により、記帳を行わなければなりませんが、簡易帳簿で記帳してもよいこととなっています。
標準的な簡易帳簿の種類は次の通りです。
① 現金出納帳
② 売掛帳
③ 買掛帳
④ 経費帳
⑤ 固定資産台帳

《帳簿書類の保存期間》

帳簿 7年
決算関係書類
現金預金取引等関係書類 7年 (前々年分所得300万円以下の人は5年)
その他の書類 5年

⑭★資産を共有しているときの取扱い★

相続で取得した資産を共有したり、複数の人で購入資金を拠出することで共有状態になったりします。共有状態における税務上の取扱いは次の通りです。

■ 不動産所得の事業的規模の判定 ■
不動産所得は事業的規模かどうかで次の点で取扱いが異なります。
・ 青色申告特別控除額は事業的規模の場合は65万円それ以外は10万円
・ 青色事業専従者給与又は白色事業専従者控除は、事業的規模の場合に適用がある。
不動産所得はその貸付けが事業的規模かどうかについては社会通念上事業と称するに至る程度の規模かどうかで判定しますが、一般的には独立家屋の貸付けについては5棟以上、アパート等については独立した室数が10室以上であれば、事業的規模となります。

事例①
賃貸アパート(16室)を兄弟で2分の1ずつ共有している場合の事業的規模の判定はどうしたらいいでしょうか。
⇒賃貸アパートを持分で案分して(8室ずつ)判定しません。賃貸アパート全体の貸付規模(16室)で判定します。したがって、兄も弟も16室≧10室で事業的規模となります。

■ 少額減価償却資産の判定 ■
取得価額が10万円未満のものは事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する金額全額を損金経理した場合に損金の額に算入できます。
取得価額が20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部又は一部の合計額を一括し、これを3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。
青色申告者である中小企業者が取得価格10万円以上30万円未満の少額減価償却資産を取得し業務の用に使用した場合には、その業務の用に使用した年度で取得価格を必要経費に算入できます。
資産の取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごと(1個、1組、1そろいごと)に判定します。

事例②
A社とB社で50万円の備品を共同購入(2分の1ずつ拠出)した場合、中小企業の少額減価償却資産の特例の対象となるかどうかの判定はどうしたらいいでしょうか。
⇒中小企業の少額減価償却資産(30万円未満)に該当するかどうかは、資産全体で判定するのではなく、自己の持分に係る部分で判定します。したがって「50万円×1/2=25万円 < 30万円」で両社とも適用が受けられます。

■ 住宅ローン控除の床面積の判定 ■
住宅ローン控除は住宅の床面積が50㎡以上であれば適用を受けられます。

事例③
夫婦で2分の1ずつの共有で取得した住宅の床面積が90㎡の場合、住宅ローン控除の適用の判定はどうしたらいいでしょうか。
⇒持分割合を乗じた後の45㎡で判定するのではなく、共有者の持ち分を含めた建物全体で判断します。ですから「90㎡≧50㎡」で2人とも要件を満たしています。
ちなみに、店舗併用住宅についての住宅ローン控除適用の有無の判定は、店舗部分も含めた建物全体の床面積が50㎡以上かどうかで判定します。

 

⑮★復興特別所得税・復興特別法人税・個人住民税★

■ 復興特別所得税 ■

東日本大震災からの復興のための財源の確保を目的として、復興特別所得税に係る税制が平成25年から施行されています。

1.納税義務者
個人で所得税を納める義務のある人が復興特別所得税も合わせて納税する義務があります。

2.課税対象
平成25年1月1日以後平成49年12月31日までの各年の基準所得税額に対して課税します。

3.基準所得税額
個人の基準所得税額は次の通りです。

区分 基準所得税額
居住者 永住者 全ての所得に対する所得税額
非永住者 国内源泉所得、国内で支払われた国外源泉所得、
国外からの送金された者に対する所得税額
非居住者 国内源泉所得に係る所得税額


4.税額計算
基準所得税額×2.1%=復興特別所得税
基準所得税額は配当控除や住宅ローン控除後で、外国税額控除前の金額です。

5.確定申告
平成25年から平成49年までの各年分の確定申告については所得税と復興特別所得税を併せて申告し、納税します。

6.源泉徴収
所得税の源泉徴収義務者は平成25年1月1日以後平成49年12月31日までの間の源泉徴収する際、復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません。そして、1枚の「所得税徴収高計算書」(納付書)で納付します。
① 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税
源泉徴収すべき復興特別所得税の額は、源泉徴収すべき所得税の額の2.1%相当額とされており、復興特別所得税は源泉所得税と併せて源泉徴収します。
② 給与等に係る所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
給与等については「平成25年分源泉徴収税額表」に基づいて徴収します。年末調整は所得税と復興特別所得税の合計額で行います。

■ 復興特別法人税 ■
復興特別法人税は、平成24年4月1日から平成27年3月31日までに開始する事業年度の基準法人税額に対して10%を乗じた金額です。なお、復興特別法人税率は法人住民税に影響しません。つまり、法人住民税や法人事業税には復興税制がかかりません。

■ 個人住民税 ■
個人住民税においては平成26年度から平成35年度までの10年間、通常の均等割り4,000円に併せて1,000円(市民税と県民税分)を防災・減災のための財源として納付します。

 

⑯★法人の交際費等★

■ 法人の交際費等 ■

・ 交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。
・ 平成25年4月1日以後に開始する事業年度においては、法人の交際費等は、期末資本金の額により、損金算入できない金額が次の通りとなっています。

期末資本金の額 支出交際費等の額 損金不算入となる金額
1億円以下 800万円以下 0円
800万円超 支出交際費等の額-800万円
1億円超 金額にかかわらず全額損金不算入


■ 交際費等に該当しない飲食費 ■
次に掲げる飲食費は交際費等には該当しません。
・ 飲食その他これに類する行為のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下の費用。ただし、専らその法人の役員、職員間の飲食費は除きます。
・ 会議に関連して、茶菓、弁当等の飲食物を供与するために通常要する費用

■ 交際費と福利厚生費との区分 ■
専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用については交際費等から除かれ福利厚生費となります。また、社内の行事に際して支出される金額などで次のようなものも福利厚生費となります。
・ 創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員に概ね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
・ 創業記念等に際し、役員又は従業員に対し支給する相当額の記念品
・ 従業員等(従業員であった者を含みます)又はその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(たとえば、結婚祝い、出産祝い、香典、病気見舞いなどがこれにあたります。)

■ 交際費と広告宣伝費との区分 ■
カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐい等を贈与するために通常要する費用や、次のような不特定多数の者に対する宣伝効果を意図した費用は広告宣伝費となります。
・ 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に金品を交付するための費用や、一般消費者を旅行観劇に招待するための費用
・ 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用
・ 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食させるための費用
・ 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用

■ 資本金5億円以上の法人等の100%子法人等における特例措置の不適用 ■
資本金の金額が1億円以下の法人であっても、資本金5億円以上の法人等の100%子法人に該当する場合には、交際費等の額は、全額損金不算入となります。

 

⑰★法人と役員の取引★

■ 同族会社の役員の確定申告 ■

同族会社の役員(注1)が、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子を受け取ったり、不動産、動産、営業権その他の資産をその同族会社に貸し付けて賃貸料などを受け取っている場合は、これらの所得金額が20万円以下であっても確定申告が必要です。
また、その役員と特殊な関係にある人(注2)の場合も同様です。
(注1)同族会社の役員とは、法人税法に規定する同族会社である法人の役員のことです。
(注2)役員と特殊な関係にある人とは
① その役員と親族である人又は親族であった人
② その役員と内縁関係にある人又は内縁関係にあった人
③ その役員から受ける金銭その他の資産によって生計を維持している人
なお、会社からの給与等の収入金額が年間2,000万円を超える人については、年末調整を行いませんので、ほかに所得がない場合であっても確定申告が必要です。

■ 役員が会社に金銭や土地建物を貸す場合 ■
① 無償又は低額の場合
役員から法人への金銭の無利息貸付けや土地建物の無償貸付けの場合は、役員等も法人もともに課税されることはありません。なぜならば、法人(会社)は営利を追求する目的で存在しているため、法人は利益となる取引(お金を払わなくてもいい取引)については当然選択すべきと考えられます。
一方、個人は営利を追求する為だけに存在するものではないので、不合理な行為、矛盾した行為、無償の行為は当然あり得ます。個人には無利息貸付けや無償貸付けという(損をする)取引もありうるとして、そこに課税はされません。もちろん受け取った金銭がないため、確定申告は不要です。
なお、個人が法人に無利息で貸付け(3,450億円)をしたことが、所得税の負担を不当に減少させる結果となると判断され、同族会社の行為計算の否認の規定が適用されたケースがあります。しかし、これはきわめて特異な例と考えられるでしょう。

② 適正利子・適正賃料の場合
法人は営利と経済合理性を追求する存在であるため、不合理な取引は行わないという前提のもとに、法人税法が組み立てられています。ですから、適正額での取引について法人税法上の問題はありません。
役員の法人への金銭の貸付けに係る利子は雑所得、土地、建物の賃貸料については不動産所得となります。

③ 高額な利子・高額な賃貸料の場合
法人が金銭や土地建物等を借りる場合に、適正額を超える利息や賃料の取引は経済的に不合理です。通常の取引であれば低金利の資金調達先や、低家賃の土地建物等をさがすはずです。それをあえてその役員から高額で借りるということは、適正額を超える部分については役員への給与と考えられるのです。そこで、適正額を超える部分の金額は通常の給与に合計したうえで、源泉徴収や年末調整を行うこととなります。なお、その適正額を超える部分の金額が定期同額給与に該当する場合は損金算入できます。

 

⑱★消費税の届出書★

■ 消費税においては届出書の提出期限に遅れたり、提出そのものを失念してしまうと税金負担の面で大きな影響が出ます。消費税の主な届出書は次の通りです。

届出書名 届出が必要な場合 提出期限 留意点
消費税課税事業者届
出書(基準期間用)
基準期間における課税売上高が1千万
円超となった場合
速やかに

提出の有無で課税の義務や
計算方法に全く関係しない。
税務署から自動的に申告書
が送られてくるかどうかの問
題のみ。

消費税課税事業者届
出書(特定期間用)
特定期間における課税売上高(かつ、
給与支払額)が1千万円超となった場
速やかに
消費税の納税義務者
でなくなった旨の届出書
基準期間における課税売上高が1千万
円以下となった場合
速やかに
消費税簡易課税制度
選択届出書
簡易課税制度を選択しようとするとき 選択しようとする課税期
間の初日の前日
事業の開始日を含む期間か
ら適用を受ける場合はその
事業開始日の属する期間に
提出があれば可
消費税簡易課税制度
選択不適用届出書
簡易課税制度の選択をやめようとす
るとき
選択をやめようとする課
税期間の初日の前日
適用開始期間の初日から2
年経過する日の属する課税
期間の初日以後より提出可能
消費税課税事業者
選択届出書
免税事業者が課税事業者になること
を選択しようとするとき
選択しようとする課税期
間の初日の前日
事業の開始日を含む期間
から適用を受ける場合は
その事業開始日の属する
期間に提出があれば可
消費税課税事業者
選択不適用届出書
課税事業者を選択していた事業者
が免税事業者に戻るとき
選択をやめようとする課
税期間の初日の前日
適用開始期間の初日から
2年経過する日の属する
課税期間の初日以後より
提出可能
消費税課税期間特
例選択・変更届出書
課税期間の短縮を選択又は変更
しようとするとき
選択又は変更に係る期
間の初日の前日
事業の開始日を含む期間
から適用を受ける場合は
その事業開始日の属する
期間に提出があれば可
消費税課税期間特
例選択不適用届出書
課税期間の短縮の適用をやめよ
うとするとき
選択をやめようとする課
税期間の初日の前日
適用開始期間の初日から
2年経過する日の属する
課税期間の初日以後より
提出可能

⑲★消費税の誤りやすい事例★

■ 消費税の基本 ■

消費税は、原則として、国内でのすべての消費活動という取引に広く、薄く、課税するものです。そこで、「国内において、事業者が事業として、対価を得て行う資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」と「輸入取引」を課税の対象としています。
なお、上記取引に該当しない取引には消費税はかかりません。これらの取引を一般的に「不課税取引」といいます。
また、国内において事業者が事業の対価を得て行う資産の譲渡等であっても、社会的政策的な配慮等から消費税を課税しない取引を「非課税取引」といいます。
消費税実務における誤りやすい事例を挙げてみましょう。

■ 課税取引と非課税取引の誤りやすい事例 ■
① 個人で食品小売業を行っている(消費税の課税事業者)が、小遣い稼ぎとして月額2万円で車庫1戸の賃貸を行っている場合、事業的規模でないから不課税とした。
⇒⇒ 消費税法上の事業とは所得税法上の所得の種類にかかわらず、「同種の行為を反復、継続かつ独立して遂行すること」をいいます。その規模の大小にかかわらず、「事業」として行われる資産の譲渡等の対価として消費税の課税の対象となります。

② 個人で内装工事業を行っている(消費税の課税事業者)が、ゴルフ会員権を売却した場合、事業者が行った行為であるから消費税の課税対象とした。
⇒⇒ ゴルフ会員権は個人の生活用資産とされています。生活用資産の売却については、たとえ事業者が行ったものであっても「事業として行われる資産の譲渡等」に該当しません。

③ 資材置き場として2週間、空き地を貸し付けたが、土地の貸付けであるから非課税とした。
⇒⇒ 土地の譲渡及び貸付けは非課税とされています。しかし、1ヵ月未満の土地の貸付けや、駐車場などの施設の利用に伴って土地を使用させる場合は非課税取引には当たりません。

④ 保有していた印紙を金券ショップに売却したが、印紙の譲渡であるから非課税とした。
⇒⇒ 郵便切手や印紙が非課税となるのは、郵便局や印紙売りさばき所などの一定の場所での譲渡だけです。

■ 納税義務の判定の誤りやすい事例 ■
① 個人が前々年の4月に新たに事業を開始した場合、その基準期間の課税売上高を年換算して納税義務の判定をした。
⇒⇒ 法人とは異なり、個人は基準期間の事業を行っていた期間が1年に満たない場合であっても年換算はしません。

② 個人事業者がA事業を廃業して、1年後にB事業を開始した。新規のB事業に係る基準期間がないので、免税事業者であると考えた。
⇒⇒ 個人事業者の基準期間はその前々年をいうものとされており、法人とは異なり必ず存在するものです。したがって事業が続いているとか、事業内容が変更したということは関係なく前々年の課税売上高が1,000万円を超えているかどうかで判断します。

③ 免税事業者であった前々年の売上高が1,050万円であった。税抜きにすると1,000万円以下であるため、当年は免税事業者と考えた。
⇒⇒ 基準期間が免税事業者である場合はその売上高に消費税は含まれていないのですから、税抜処理をすることはできません。したがって、1,050万円がそのまま基準期間の課税売上高となり、当年から納税義務が発生します。

 

⑳★個人住民税の申告★

■ 住民税の申告が必要な場合 ■

その年の1月1日に市町村内に住所を有する人は、住民税(市民税・県民税)の申告書を提出すべきかどうかを判断する必要があります。

前年に収入が
ある者
所得税の確定申告をする者 住民税の申告不要
給与収入のみで給与支払報告書が提出されている者
公的年金収入のみの者 所得控除等を受けない者
所得控除等を受ける者 住民税の申告必要
その他の者
前年に収入が
ない者
蓄え、仕送りによる生活者、被扶養者と別居している者※
被扶養者と同居している者 住民税の申告不要

※所得の非課税証明、国民健康保険料の算定をするために申告が必要です。

■ 申告書の提出先と提出期限 ■
住民税の申告書を提出すべき人は、1月1日現在の住所地の市町村長に、前年の所得について3月15日までに提出しなければなりません。なお、所得税法上は申告義務がない少額の所得も、住民税では申告しなければならないものがあります。

■ 所得税では申告不要を選択できるが住民税では申告が必要なもの ■
① 給与所得者で住民税の申告が必要な場合
住民税には所得税のような「給与以外の20万円以下の所得は申告不要とする特例」はありませんので、給与以外の所得があれば住民税の申告が必要です

② 公的年金受給者の申告不要制度と住民税
所得税では、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その年金以外の他の所得の金額が20万円以下の者はその年分の所得税の確定申告は不要です。ただし、上記の給与所得者の特例と同様に住民税には申告不要制度がありませんので、住民税の申告が必要となる場合があります。

③ 配当所得で住民税の申告が必要な場合
所得税では、非上場会社の株式配当等が少額配当(10万円×計算期間の月数/12で計算した金額以下の配当等)の場合は、申告不要を選択できますが住民税の申告は必要です。

■ 所得税も住民税も申告不要のもの ■
① 国内の金融機関等から受ける利子所得は、一律源泉分離課税(所得税15.315%+住民税5%)で課税関係が終了します。

② 次の金融類似商品は利子並み課税として一律源泉分離課税(所得税15.315%+住民税5%)で課税関係が終了します。
・ 定期積金の給付補てん金(雑所得)
・ 抵当証券の利息(雑所得)
・ 金投資口座の差金(譲渡所得)
・ 外貨建預金の為替差益で為替予約がなされているもの(雑所得)
・ 懸賞金付き預金の懸賞金(一時所得)

③ 上場株式等の配当で、申告しないもの(大口株主を除く)や、特定口座の源泉徴収選択口座で管理しているものの譲渡所得で申告しないものは、源泉徴収(平成26年以降は所得税15.315%+住民税5%)で課税関係が終了します。

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